いま、北海道で次々と日本酒の酒蔵が新設されています。その数は建設中も含めると年内に16か所となる予定で、過去5年でおよそ1.5倍に増加する見込みです。なかには、本州から移転してきたり、地域で数十年ぶりに設けられたりした酒蔵もあります。なぜ次々と増えているのでしょうか。 (旭川局記者 山田裕規、函館局記者 西田理人) 新設された酒蔵の1つは、北海道のほぼ中央に位置する東川町にあります。 町がおよそ3億5000万円をかけて去年11月に建設しました。東川町は、大雪山系の雪どけ水を源流とする豊かな地下水を利用した稲作が盛んで、自慢のコメを生かした日本酒を特産品にできないかと考えたのです。地酒を生み出し、農業や商業、観光業などの活性化につなげようというねらいもありました。 しかし、町に酒造会社はなく、酒造りのノウハウがありません。そこで、酒蔵の運営を担う民間事業者を公募。