会社の役員に1人苦手な人がいる。 いつも般若をドス黒くしたようなしかめっ面をして、負のオーラを放っている。その見た目を裏切らず、性格もかなりキツイ。他部の部長がネチネチと怒られているのをよく見る。 兎に角怖いのである。 数ヶ月前に帰り道ですれ違った時のことだが、僕は役員に気付き、慌てて挨拶した。相手は僕の事を一瞥し、何も言わずに去っていった。 ビビり過ぎて状況が理解できなかったが、もしかしたら気づかなかったのかもしれないと思うことにした。 嫌われている可能性は否めない。 先々週の金曜日、フレックス制度を活用して16時に退社した。「プレミアムフライデーだ!」とルンルン気分で死語を呟きながら会社を出ると、恐怖の役員がいた。慌てて挨拶すると、今度は一瞥もくれずに僕の横を通り抜けていった。 これは、嫌われている! 思い当たる節はある。役員主催のカラオケ飲み会が面倒臭くて行かなかったことが2回程ある