ベルリンの壁が崩壊し、ソ連が消滅してから30年近くが経過した。自由市場と法の支配を基礎とする資本主義の勝利であったが、そのリーダー国であるアメリカで、ミレニアル世代(1980年代から2000年代前後に生まれた世代)の間に共産主義、社会主義を新たな選択肢とする考えが広がっている。 ◆格差に不満 資本主義にも不信感 The Victims of Communism Memorial Foundation(VCMF)は、毎年アメリカ人の共産主義に対する意見を調査しているが、今年の調査では、ミレニアル世代の10人中7人が、高所得者は公平な割合の税負担をしていると思えないと回答し、10人中4人が、アメリカは完全にその経済システムを変えるべきだとしている。資本主義よりむしろ社会主義、または共産主義のもとで暮らしたいと答えたミレニアルは、全体の半数近くに上った。全体として、共産主義のリーダーを好意的に見