今年上海発のクルーズ客船がこれほど激増した背景には何があるのか。ここらであらためて整理してみましょう。 中国のクルーズ旅行は、2005年のイタリアのコスタ・クルーズ社の参入から始まります。以降、ロイヤル・カリビアン社などの外資系が次々と参入し、上海は本格的なクルーズ客船の発地となります。博多への初寄港は07年のコスタ・クルーズです。 つまり、すでに10年の歴史があるわけですが、最初はいわゆる富裕層向けのクルーズ旅行でした。というのは、当初は外資系のクルーズ会社が自ら集客を行っており、価格帯も今とは違って高額だったからです。 2012年頃から状況が変わってきました。外資系クルーズ会社が市場の拡大を見越して地元の旅行会社に集客を任せ、チャーター運航が増えたことで、低価格が実現したからです。 もっとも、この年の秋、民主党野田政権と胡錦濤政権の間で尖閣問題が起こり、13年に入ると、とたんに上海発の