◇黒字まであと一歩--「高く買います」 精神障害者の雇用を目的にするネット古書店「浩仁堂(こうじんどう)」(武蔵野市境1)が奮闘している。小金井市の社会福祉士、直志浩仁(なおしひろひと)さん(43)が昨夏から始めた。商品の古本集めは直志さん。3人のスタッフがインターネットの新古書サイト「アマゾン」に登録する作業も板に付いてきた。半年で在庫は7000冊に増え、黒字まであと一歩のところまで来たという。 きっかけは、直志さんが市内の精神障害者施設で働きながら続けていた副業。古物商許可証を取り、仕入れた古本を「アマゾン」に出品、売れたら発送する仕事だ。職場で「授産施設の仕事にどうか」と提案したが、受け入れられなかった。自分で細々と続け、3年ほどで売り上げが月額約30万円に伸びた。 精神障害者の雇用は進まないが、実際に働ける人は多い。そんな現実もあり、「自分で会社を作り、雇用した方が早い」と起業を思