明治政府の最高指導者岩倉具視(1825−83年)にあてて西郷隆盛や大久保利通、伊藤博文ら明治の元勲が送った書簡、意見書など、新発見とみられる千数百点の文書が現存していることが7日、三沢純熊本大准教授、藤井譲治京大教授、佐々木克奈良大教授らの調査で分かった。明治新政府をめぐる文書類は出尽くしたとされており、新史料の大量発見は極めて珍しい。政権中枢にいた岩倉の元に各地から多様な情報が集まり、諸政策が決定された過程を裏付ける重要なもので、激動の幕末・明治史の空白を埋める新たな事実の確認が期待される。 文書は「海の見える杜美術館」(広島県廿日市市)が約20年前に購入し、未公開のまま所蔵。三沢准教授らが昨年から3年計画で調査を始めた。全部で約1700点あり、このうち約8割を新出史料と推定している。 書簡類は1868(慶応4、明治元)年から岩倉が死去する83年までに東京で受け取ったとみられる。詳細は未