11月20日、BNPパリバ証券の河野龍太郎経済調査本部長は、日銀の金融抑圧が本格化したことで想定以上に長期金利上昇が抑え込まれ、実質金利のマイナス幅拡大によって、円安が加速する可能性が高まったと指摘、提供写真(2014年 ロイター) [東京 20日] - 従来から筆者は、日本経済の中長期シナリオとして、次の4つを掲げてきた。1)デフレ回帰、2)4―5%の比較的モデレートなインフレ下での金融抑圧、3)10%程度の高インフレ下での金融抑圧、4)安倍政権が目標とする「2%潜在成長率・2%インフレ」の定着である。 高水準の公的債務を抱える中で、財政・金融政策によってデフレ脱却を目指せば、インフレ醸成後に財政従属に陥り、金融抑圧が不可避となる。つまり、インフレ率が上昇しても、財政への配慮から長期金利上昇を避けるために、ゼロ金利政策や長期国債の大量購入を止められず、結局、インフレ・タックスによって公的