『銀恋』(ワイズ出版) つげ義春らが参加した伝説のマンガ誌『COMICばく』(日本文芸社)などで作品を発表していたマンガ家・末永史(すえなが・あや)。その後はマンガ家としての活動はほぼ休止し、エッセイを中心に執筆していたが、今年4月、25年ぶりの描き下ろしマンガ短編集『銀恋』(ワイズ出版)を発表した。 『銀恋』には、50代、70代など中高年の女性の恋愛や性愛にまつわる心情が印象的に描かれている。「女の淵はどこまでも深く、老いは待ったなしなのだ」――あとがきでそう語る、もうすぐ60歳という末永氏本人にも深く関わるであろうテーマを描いた、その心中ををうかがってみた。 ――今回、25年ぶりにマンガを描こうと思われたのは、こういう作品を描きたいというイメージが先にあったのでしょうか。 末永史氏(以下、末永) 若い人の恋愛や性について描かれた作品はあっても、自分の世代より上のそういうものを描いた作品