■要旨 インドネシアは人口で世界第4位の大国であり政情も安定しているものの、生命保険の普及は進んでいない。アジアの新興国平均にも後れを取っている。 その要因として、同国ではイスラム教徒が人口の8割超を占めるところ、従来の保険はシャリーアと呼ばれるイスラム教の法体系で認められないことが指摘されてきた。 イスラム教徒も加入しうるシャリーア適格の生命保険は、保険料の比率で11%強まで上昇してきたものの、保険料総額の推移が概ね横ばいであることから、同国における生命保険の普及を牽引しているとは言い難い。 同国の監督官庁は、取り扱う保険会社の経営を特化させ事業運営を効率化し競争力を高める目的から、シャリーア保険事業の切り離しを業界に求めてきた。昨年7月に発出した規則では、切り離し期限を2026年12月末まで延長するとともに、最低資本要件などを告知している。 今のところは体制整備が中心であり、シャリーア