わたしたちの視覚には「色」がある。だから、色があるのは当たり前と思うかもしれないけれど、色覚を持たない動物も多い。なぜわたしたちには色覚があり、どのように進化してきたのか。魚類から霊長類まで、広く深く色覚を追究している河村正二先生の研究室に行ってみた! (文=川端裕人、写真=内海裕之) 河村さんたちの探求は、実験室でのオプシン遺伝子の研究から、新世界ザルの行動観察をするフィールドまで、すっきりとつながったものになった。 これは、ある意味、進化生物学者の夢の達成だ。どんどんミクロに見て、遺伝子レベルで解明できたことが、実際に生き物が日々の行動の中でどのように影響しているのか、その適応的な意味とはなになのか、直接、調べることができるテーマは、未だにそうたくさんある話ではない。 色を数値化 そして、河村さんたちのフィールドワークは、これまでの常識をひっくり返す発見をもたらした。 「3色型の有利性
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