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2022年10月3日のブックマーク (1件)

  • 4 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム

    褪色したグリーンの背中が通行口の奥に消え、将門は疲れたように両手を後頭部に回した。 「あの刑事のせいで居辛くなっちゃいましたね。このカフェテラス、凄く気に入ってたんですけど」 元を正せば将門の無軌道な発言が騒ぎの発端なのだが、そもそも警察に情報を請う発想そのものが、自己中心的な思いつきに過ぎないのだ。先が思いやられ、壱八は暗澹たる気分に沈んだ。 「情報収集は後回しにするしかなさそうですね」 「仕方ないだろ。どうしてもっていうなら、知り合いの情報屋とやらに頑張ってもらうしか」 「そのようですね。彼には結構な額のお金も貸してるので、精々こき使ってやります」 「高利貸しのほうが向いてそうだな」 「あなたもマサカド金融のお世話になりますか」 「笑えないジョークだ」 活気の衰えぬ街並に燦々と降り注ぐ秋の陽光は、少しずつだが確実に西の空へ傾きつつあった。パラソルの円い縁を焦がさんばかりに照り輝く射光に

    4 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム
    karatte
    karatte 2022/10/03