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2022年11月28日のブックマーク (1件)

  • 13 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム

    「何てことです。気が知れません。いきなりあんな質問ぶつけるなんて」 柔らかい蒸気を顔の前に吐き散らし、将門は白々と蔑んだ眼でそう繰り言を洩らした。 ヴァニラの甘く香しい駅前通りに今日も人は多く、街路樹の木陰も立ち話には不向きだったが、呆れ顔の占い師にお堅い口調で引き止められ、壱八は樹木の太い幹に凭れた将門の前で虚ろに立ち尽くしていた。 衝突は必至だった。異能の反動と思しき頭痛は幾分和らいだものの、将門の非難がましい口舌は相変わらず耳に痛かった。 「わちきにはわちきなりの考えがあって、しっかり順序立てて質問してるんですよ。わちきの計算を狂わすような勝手な真似は、控えてほしいものです」 先程から将門は、読心装置たる随行者の予期せぬ行動を諄々と咎めていたが、当の壱八はというと、その意見に何一つ納得することができずにいた。 将門が渕崎に向けた質問は、いずれも事件の外堀を埋めていく類いの、確実だが迂

    13 - 異能探偵(空っ手) - カクヨム
    karatte
    karatte 2022/11/28