「日本人の読解力が落ちている」という衝撃の結果となった「PISA(経済協力開発機構が79ヵ国・地域の15歳を対象にした学習到達度調査)」。「21世紀に必要となる3つの資質・能力」として、数学的リテラシー、科学的リテラシーとともに挙げられる基本的な力とされるだけに、本当なら由々しき事態。このわかっているようでわからない「読解力」の大切さを、池上彰さんならではのわかりやすさで示した本『社会に出るあなたに伝えたい なぜ、読解力が必要なのか?』からご紹介しよう。 読解力の基礎となる小説と評論 国語の教科書は、小説などの情緒的な文章と、評論などの論理的な文章の両者がバランスよく掲載されています。大人になって改めて読むとまさしく「教養の書」と言えます。どの教科書も、現代日本に生きる人間として読んでおくべき文献を、編集者が集めてくれているという印象です。 佐藤優氏と私の共著『人生に必要な教養は中学校教科