「立法者の三つの訂正の語句で、[法学の]全文庫が反古となる。」キルヒマン(Julius Hermann von Kirchmann)が1847年に「学問としての法学の無価値性」という爆弾講演においてなしたこの有名な一文は、もちろん誇張ですが、「法教義学(Rechtsdogmatik)」としての法学について、重要な真理をデフォルメした形で強意表現していることは否めません。法の形成・発展の指針となる基本原理を探究せずに、条文の訓詁学に終始しているような「実用法学」は、学問性が疑わしいだけでなく、ひとたび現行法が抜本的に変われば、「実用性」すら失うのです。このような「実用法学」を超えた原理性・学問性をもつ多くの優れた実定法学者の研究が存在することは、急いで付け加えなければなりませんが。 現在の日本では、キルヒマンのこの言に思いを馳せさせる状況が現出しています。「立法の爆発」です。資本主義経済の