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ブックマーク / left-over-junk.hatenablog.com (10)

  • 伝言ゲーム防止:フィルモアの「文→モダリティ+命題」について - left over junk

    「文」の構成素を大きく「モダリティ」と「命題」にわける古典的な文献として Fillmore (1968) "The case for case"*1 が引用されることがあります.次の規則がそれです: 28. Sentence → Modality + Proposition 28'. S → M + P [fn.30] この字面だけをみると,「文はモダリティと命題から構成される」と述べていることは間違いようもなく明らかなように思えます. ところが,フィルモアがいう「命題」と「モダリティ」の定義はいま普及しているものとかなり異なります. 彼のいう「命題」「モダリティ」はそれぞれ次のように説明されています: そうすると,文の基構造には「命題」と呼べるものが見つかる.これは動詞と名詞(および場合によって埋め込み文)からなるさまざまな時制抜きの関係の集合であり,「モダリティ」と呼べるものから区別

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    karpa
    karpa 2011/01/23
  • 引用:プラム「エスキモー語彙の大ウソ」より - left over junk

    根拠のない説を信じ込み,増幅していったこの事件には,うんざりするような特徴が多々ある.その一つが,たとえば仮に一部の北極圏言語に雪を表す語根が多数あったとしても,そのこと自体は知的関心をもつに値しないという事実である.そんなことはありふれている.馬の育種者は馬の血統,大きさ,年齢などを数々の単語で区別する.植物学者は葉の形をさまざまに呼び分ける.印刷業者はフォントにいろいろな名前(カスロン,ガラモンド,ヘルヴェティカ,タイムズ・ローマンなどなど)をつけている.どれも当然だろう. しかし,できのわるい言語学教科書に載せられたイヌイットの例のような与太話を,印刷業者について書こうなどと誰が思うだろう.たとえば,ある教科書は大真面目に,「イヌイットの文化においては明らかに,雪が重要な意味をもっているために,英語では一つの単語,一つの意味に対応する概念領域が,いくつかの分明なカテゴリーに切り分けら

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    karpa
    karpa 2010/04/13
    カスロン(Caslon)がカールソンになってるぉ……。活字の形じゃなくてフォントとしてほしかったな。(こまい
  • アセモグルせんせいにきく:近代の経済成長 (1/3) - left over junk

    【追記:この訳文の PDF をアップロードしました:tr_Acemoglu_2009_INTERVIEW_modern-economic-growth.pdf 】 ダロン・アセモグルの下記インタビューを訳して紹介します: Daron Acemoglu, "Modern economic growth." Interviewed by Romesh Vaitilingam, 27 February 2009. レギュラー先生 (regular_1981) が twitter で,これと「相補的な内容になってるワン」とおっしゃっていたので,遅まきながら手をつけました.全3回にわけてやります. ようこそ,Vox Talks へ.このシリーズでは世界の先進的な経済学者のインタビューをお送りしています.私は Romesh Vailtilingam.日は MIT のダロン・アセモグル教授のインタビュ

    karpa
    karpa 2009/11/29
    > 「かんたんにいって,どうして持続的な経済成長が1800年代にはじまったのか,と」
  • 西山佑司「デカルト派言語学」:「創造性」に関する注意点 - left over junk

    西山佑司,「デカルト派言語学」『岩波講座現代思想4 言語論的転回』. 岩波書店,1993年. いま読んでいる「概念とは何か?」で言われている「創造性」に関連して,少しだけ注意点: 第一節で見たように、変形生成文法は無限の文を生成できるような回帰的機構をもっている。したがって。変形生成文法で規定される有限の知識をもっている話し手は、原理的には、無限の多くの文を作ったり理解したりできるはずである。このように、チョムスキーの言う「人間言語の創造性」というものを無限の文の生産可能性と解釈するならば、この意味での創造性は、結局、生成文法がもつひとつの特性である「回帰性」ということに帰着しそうである。いいかえれば、この意味での言語の創造性は生成文法の回帰的な規則によってこそ把握され、説明される、ということになる。チョムスキーの言う言語の創造性をこのように解釈してきた言語学者はすくなくない。ところが、チ

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    karpa 2009/10/18
  • 「現在の意志」とはいうものの… - left over junk

    いえ,ハタと気になったのですが. 次のような例では,明らかに話し手は動詞句の行為をやろうという意志を表明しています: そういうことでしたら,明日の朝,ぼくが空港まで先方をお迎えに行きます. こうした例を記述するとき,おうおうにして「(話し手の)現在の意志」が表されている,といった言い方がなされるのですが,これは少々ミスリーディングなような気がします. というのも,その「意志」は行為の達成まで持続することが含意されていると思われるからです. つまり,発話の現在でだけ意志をもっていると言うのだとしたら,その後で意志がなくなることになってしまいます.これは変です. また,わざとらしい作例ですが,次のように意志をなくすことを明言すると矛盾が生じます: そういうことでしたら,明日の朝,ぼくが空港まで先方をお迎えに行きます. もっとも,今日の夜中にはそんな気はなくしてしまうでしょうけど. もちろん,現

    「現在の意志」とはいうものの… - left over junk
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    karpa 2009/07/16
    「いまのきもち」といふラヴェリングだと、なほのこと変化しやすさへのふくみが見え隠れしますね、しませんかね
  • The Library Is Your Friend! - left over junk

    「教えて! goo」に「発話行為とは」と題する次のような質問が投稿されていました: 今、英語の語用論について勉強しているところです。その中で、発話行為 (speech act)について学んでいるところですが、発話行為とはどのような行為かということがいまいちわかりません。 ご存知の方がおられましたら、教えてください。宜しくお願いいたします。 このタイプの質問に答えるのは容易ですが,そうやって回答することは長い目でみるとあまり有益ではないだろうと思います.このような質問をする方は,第一に質問の仕方が悪く,第二にそれと関連して質問する前の「勉強」がおろそかにされています.長い目で見ればこの2点を改善することの方が発話行為の定義を暗記することよりも大事です. この話題は,昔から「教えて君」関連で繰り返し取り上げられてきたことと重複しています: 教えて君 教えて君と屑回答者 教えてクン養成マニュアル

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    karpa 2009/05/30
    (……ノートは基本的に見返しません。ノートの存在を忘れてしまふからです) / > 軽蔑することを学ぶ
  • 義務法@古典日本語 - left over junk

    忘れないうちにメモしておこうと思いまして. 叙法のうち,「ねばならない」といった意味を表す「義務法」(debitive) は『言語学大辞典』によりますとラトヴィア語のみにみられると記されています: 【義務法】 印欧語族バルト語派の中でラトヴィア語のみにみられる法で,「〜ねばならない(英語の must, have to)」を表わす.義務法は,直説法の一変種ともいえるが(エンゼリン J. Endzalin による),ラトヴィア語で広範に使用される形態であるため,独立の法として立てられている.この義務法は,直説法現在・過去・未来のほか,条件法,および,関係法(ラトヴィア relat〓vs izteiksme, 英 relative mood)の現在・過去・未来に現われ,全部で7つの形がある. (『言語学大辞典:第6巻 術語編』三省堂,1996年) 一方,Alexander Vovin は古典日

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    karpa 2009/03/23
    られたら。「べし」を義務法と呼ぶかどうか,か?
  • グライス「協調の原則」の誤解 - left over junk

    B.L. Davies, Grice's Cooperative Principle: Meaning and rationality, J. Pragmatics, 39 (2007), pp.2308-2333. 1. Introduction 2. Grice's Cooperative Principle 3. Grice's Cooperative Principle and 'cooperation' 4. Setting the scene: a background to Grice's work 5. The Gricean program 6. Conclusion 以下,自分用のメモです. ■グライスの「協調の原則」は誤解されている:「協調 cooperation/cooperative」は日常的な意味で理解されてはならない. グライスの基的な論点は,「言うこと (

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  • 名前のわかりにくい言語学者リスト:発音・性別・カナ表記 - left over junk

    modified: 2014-06-04 発音・カナ表記のわかりにくい言語学者をリストにしました. 主なソース: Laurie Bauer, The Linguistics Student's Handbook, Edinburgh University Press, 2007, pp. 148-149 ※「これもあるぞ!」というタレコミを歓迎します. アルファベット表記 発音 性別 カナ表記 Aronoff, M. ˈærənɒf M アロノフ Baldi, P. ˈbɔːldi M ? Bar-Hillel, Yehoshua M バー=ヒレル,イェホシュア Baudoin de Courtenay, J. bəʊdwæn dɪ ˈkɔːtneɪ M ? Bauer, L. ˈbaʊə M バウアー Bavin, E. ˈbævɪn M ? Besnier, N. ˈbeznieɪ M

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    karpa
    karpa 2009/02/11
    Bloch, B.ぢゃないBlochさん (歴史系?) はブロックって書きますよね
  • 図解:ポール・グレアムの「異論の階層」 - left over junk

    上記の図は『ハッカーと画家』などで知られるポール・グレアムのエッセイ "How to Disagree" の内容を図解したものです(クリックすると大きく表示されます).Michael Anissimov の "Paul Graham’s Disagreement Hierarchy" の図をそのまま日語に置き換えました.というわけで,(例によって)ぼくはなんにも知的に貢献してません(´・ω・`) 図の中のピラミッドには,他の人の意見・主張に反論するやり方が,ダメなものからちゃんとしたものまでならんでいます.グレアムはそれぞれの階層を下から順に DH0〜DH6 とラベルをつけています.ピラミッドになっているのは,上の方の反論になるほどみかけることが少なくなるからです. 図のもとになっているグレアムのエッセイは,tamoさんの手によって読みやすい日語に翻訳されています:「How to Di

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