大林組が2012年に発表し、世間をあっと驚かせた「宇宙エレベーター」構想。この壮大な構想では25年ごろに着工し、50年ごろに運用開始を掲げていた。着工目標まで残り4年と迫る中で、宇宙エレベーターの研究開発はどこまで進んだのだろうか(図1)。 宇宙エレベーターとは、海上に設置した「アース・ポート」と呼ばれる基地から、高度9万6000kmの位置にある最頂部のカウンターウエート(宇宙船などの重り)までをケーブルでつなぐ構造物である。具体的にはまず、静止軌道に設置した建設用の宇宙船と地上を、2本の多層カーボンナノチューブ(CNT)製ケーブルでつなぐ。次にそのケーブルを上り下りする「クライマー」と呼ばれる昇降機が地上と宇宙とを行き来してケーブルを補強しながら、静止軌道ステーションなどの施設を建設する。 最終的に、人工衛星を地球低軌道に投入するための「低軌道衛星投入ゲート」や、火星に向かう出発点となる
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