世界視野で捉えたとき、再生可能エネルギーを拡大する牽引役は、風力発電であると言える。風力発電は年率30%という急激な拡大を長年続けてきたが、リーマンショック後に欧州市場が息切れし、その中心が一気に中国を始めとするアジア諸国に移りつつある。国産エネルギーの確保による安全保障の改善、裾野の広い産業基盤を活用する産業政策として、風力発電の重要性に各国が気づいたのである。 1980年代以降、欧米で発展してきた風力発電 風力エネルギーの利用が本格的に始まったのは、平坦な土地が多く、日照にも比較的恵まれないドイツ北部やデンマークなどを中心とした地域であった。こうした地域では落差が得られないために、水力を利用することができず、伝統的に風力を利用してきた地域である。今でも木造の風車小屋が残されている。 1980年代に始まった商業的な風力発電機は、出力数十kW、ロータの直径が10メートル程度という、今となっ
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