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社会と本に関するkash06のブックマーク (21)

  • 天然理心流はなぜ多摩の豪農に伝わったのか?須田努『幕末社会』 - 明晰夢工房

    幕末社会 (岩波新書 新赤版 1909) 作者:須田 努 岩波書店 Amazon 天然理心流を開いた近藤内蔵助は、江戸の両国薬研堀に道場を構えていた。だがなかなか門人が増えなかったため、多摩の農村で出稽古をはじめ、この地域に土着していた八王子千人同心たちに剣術を伝えていったことはよく知られている。やがて多摩地域の百姓身分のなかから才能のある者が近藤家へ養子に入り、二代目以降の近藤家の名跡を継いでいく。宮川勝五郎、のちの近藤勇もこうして天然理心流の四代目を継ぐことになった。 saavedra.hatenablog.com だが、もともと千人同心たちの武術だった天然理心流は、やがて豪農たちの剣術へと変わっていく。その背景には、幕末期特有の多摩地域の社会情勢がある。須田努『幕末社会』によると、天保期には百姓一揆の作法が崩壊し、蜂起した無宿たちは暴力の行使をためらわなくなった。百姓一揆とは来、幕

    天然理心流はなぜ多摩の豪農に伝わったのか?須田努『幕末社会』 - 明晰夢工房
  • 【本棚を探索】第25回『格差という虚構』小坂井 敏晶 著/濱口 桂一郎|書評|労働新聞社

    クリップ数が上限数の100に達しているため、クリップできませんでした。クリップ数を減らしてから再度クリップ願います。 マイクリップ一覧へ あってもなくても不満に 前回(【棚を探索】第21回『実力も運のうち 能力主義は正義か?』マイケル・サンデル著/濱口 桂一郎)は『実力も運のうち 能力主義は正義か?』を取り上げたが、そのメリトクラシー批判をさらに極限まで突き詰めると書に行き着く。タイトルだけ見ると「格差なんて虚構だ」というネオリベ全開のと思うかもしれないが、むしろ格差を非難し、少しでも減らすようにとの善意に満ちた考え方の虚構を暴き立てるである。彼に言わせれば、近代の平等主義とは、現実に存在する格差を正当な格差と不当な格差に振り分け、階層構造の欺瞞から目を逸らせるための囮に過ぎない。 メリトクラシーを論ずる第1章は、前回の議論と響き合い、そのもたらす残酷な帰結をこう突きつける。「現実

    【本棚を探索】第25回『格差という虚構』小坂井 敏晶 著/濱口 桂一郎|書評|労働新聞社
  • ネット炎上の激化は社会比較説・沈黙の螺旋・集団的浅慮などが原因 - 明晰夢工房

    眠れなくなるほど面白い 図解 社会心理学 日文芸社 Amazon kndle unlimitedで『眠れなくなるほど面白い図解社会心理学』を読んでいたら、ネット炎上が激化する原因を解説している箇所があった。このの28ページでは、ネット炎上が加速する原因として「社会比較説」と「集団曲化」をあげている。 社会比較説とは、他者の多くが自分と同じ意見であることで自分の意見に自信を持ち、その考えがより強化されることです。集団曲化(48ページ)は、集団で討論する際、メンバーにリスキーな意見の人が多ければ、集団での意思決定もよりリスキーに、逆に安全志向の人が多いとより安全に偏る傾向のことです。 ネットでは自分と同じ意見をすぐに見つけられるからその考えが強化されやすく、コミュニティは同じ意見を持つ人で固まりやすいから集団曲化もしばしば起きる。攻撃的な意見がコミュニティ内で優位なら、その攻撃性がより強化

    ネット炎上の激化は社会比較説・沈黙の螺旋・集団的浅慮などが原因 - 明晰夢工房
    kash06
    kash06 2022/04/30
    「こうした社会心理学の本を読むと、人がいかに社会から排除されるのを恐れているかがよくわかる。」
  • 老害のおれ思うに、コンビニが街の文化を支えてるんだぜ

    活字中毒が申し上げること おれは街なかでコンビニを見るたびに、「ヨシッ、文化がある」と思う。 コンビニの明かりを見るたびにそう思う。 コンビニのなにが文化なのか。 それは、そこで売られているであろう新聞や雑誌についてである。 それが、おれにとっての「文化らしさ」なのだ。 これに気づいたのはずいぶん前だ。 新しい街に引っ越してきて、そう感じた。 もちろん、そのものを取り扱っている屋、古書店、そっちの方がより「文化らしい」。 会社からの帰り道、寄れる古屋があったときは、「文化があっていい」と思ったものだ。 もっとも、その古屋も潰れてしまった。 街から屋が消えている。 そんなデータは、ちょっと検索したらすぐに出てくるだろう。たぶん。 でも、コンビニにはスポーツ紙と雑誌が置いてある。文化だ。 活字だけが文化なのか? もちろん、コンビニには格的な哲学書だとか、古典文学全集だとか、最新のコ

    老害のおれ思うに、コンビニが街の文化を支えてるんだぜ
  • ビースティーノカジノ - Beastinoで最高のオンラインカジノゲームをプレイ

    ビースティーノカジノ- Beastino Casinoであなたの内なる獣を解き放ちましょう。何千ものトップスロットの中から選び、テーブルゲームで順番を決め、ライブカジノで動物のアクションを楽しむことができます。 カジノを見る ビースティーノカジノ ビーストモードで行こうBeastinoは、最大のゲームコレクションを持つカジノの獣です。アカウントを作成するのに時間はかかりませんし、唯一の問題は、最初に何をプレイするかを決めることでしょう。 Microgaming、NetEnt、Yggdrasil、Pragmatic Play、その他多数のトップクラスのゲームプロバイダーがここにあります。Beastinoでプレイすれば、いつでもジャングルの王様になった気分になれるでしょう。 Beastinoで何千ものゲームをプレイスロットが欲しいなら、私たちにはスロットがあります!正確には3000台です。次の

  • 【感想】金成隆一『ルポトランプ王国2 ラストベルト再訪』と南部白人の「ディープ・ストーリー」 - 明晰夢工房

    ルポ トランプ王国2: ラストベルト再訪 (岩波新書) 作者:金成 隆一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2019/09/21 メディア: 新書 前作に引き続き、大変読みごたえのあるルポだった。著者はラストベルトと郊外、バイブルベルトの3カ所を訪ね歩き多くのトランプ支持者へのインタビューを行っているが、できるだけ著者の主観を交えずに支持者の生の声を拾っているので、そこから「トランプ王国」の姿が立ちあがってくる。 どのインタビューも興味深いものだが、書の中では2のロング・インタビューが特に内容が濃い。これはアメリカの「今」を知るうえでは必読ではないかと思う。特に二人目のアーリー・ホックシールドのインタビューは、アメリカ南部の保守的な人々の心性をよく説明してくれている。 ホックシールドによれば、これらの保守派の人々の心の奥底に流れる「ディープ・ストーリー」が存在するという。これは、

    kash06
    kash06 2019/12/15
    誰かが声を上げる・拾い上げる事をしない限り、なかなか前進することのない属性による差別の問題がありつつ、属性によらず直面して支援が必要な経済的な問題も無視できない(…後者に宗教的で普遍的な救済を想起した
  • 『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』日本型雇用慣行は、なぜこれほどまでに変わらないのか - HONZ

    いったんでき上がった社会の仕組みは、社会のコンセンサスがなければ決して変わらない。 そして、その前提となるのは透明性と公開性であり、これがない改革は必ずつまずく。 こうした仮説のもと、雇用、教育、社会保障、地域社会、政治、さらには日人の「生き方」までを規定している「慣習の束」がどのようにでき上がってきたのかを、歴史的事実と豊富な参考文献に基づいて丹念に解き明かしているのが書である。 とくに今、日型雇用慣行(女性と外国人に対する閉鎖性、正規と非正規との格差、転職のしにくさ、高度人材獲得の困難さ、長時間労働と生産性の低さ、ワークライフバランスの悪さなど)に対する閉塞感が蔓延しており、働き方改革が叫ばれているにもかかわらず、なかなか社会は変われない。なぜなら、今の雇用慣行は経営の裁量を抑えるルールとして、労働者側が歴史的に達成してきたものだからである。 日では、職務の明確化や人事の透明化

    『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』日本型雇用慣行は、なぜこれほどまでに変わらないのか - HONZ
  • 『高畠素之の亡霊 ある国家社会主義者の危険な思想』(佐藤優)を読む - 関内関外日記

    高畠素之の亡霊: ある国家社会主義者の危険な思想 (新潮選書) 作者: 佐藤優 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2018/05/25 メディア: 単行 この商品を含むブログを見る 優雅で感傷的な日のアナーキストが好きなおれにとって、高畠素之というのは「その周辺人物」の一人であった。なにせ、国家社会主義者なのである。が、マルクスの『資論』を初めて日語訳したのは高畠だし、三回も全訳しているのが高畠なのである。興味深い人物とはいえないか。 高畠は、悪を単なる善の欠如とは考えなかった。質的に性悪な人間が形成した構造悪があると考えた。そして、『資論』が資主義社会における構造悪を解明していると直観した。そして、『資論』の全訳に挑み、それを成し遂げた。高畠は『資論』の論理は承認したが、唯物史観にもとづく革命後の理想社会の到来を信じることができなかった。性において性悪な人間が、良

    『高畠素之の亡霊 ある国家社会主義者の危険な思想』(佐藤優)を読む - 関内関外日記
  • 小熊英二『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    小熊英二さんより『日社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』(講談社現代新書)をお送りいただきました。新書でありながら600ページという常識外れの分厚さにまず目を剥きましたが、中身を読み始めて、これはいったい何というだ!と叫んでしまいました。どういうことか?というと、私の様々な議論やと、ほぼ重なるような内容のになっていたからです。 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000321617 正直言って、この著者名とこのタイトルから想像される中身とは相当に異なっています。もし書が学術出版であれば、内容を正確に伝えるタイトルをつけるとしたら、『詳説 日型雇用システムの形成史』となるはずです。そう、私がいくつかので、序説であったり傍論であったりしながら割と簡略に叙述してきた事柄を、(ページ数が増えることを全く顧慮することなく)元

    小熊英二『日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学』 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • ロフトプラスワン新宿『本当は働きたくない。』オフ会報告 - シロクマの屑籠

    発達障害の僕が「える人」に変わった すごい仕事術 作者: 借金玉出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/25メディア: 単行この商品を含むブログを見る 今回、借金玉さんの新著発売に関連してロフトプラスワン新宿でひらかれたトークショー『当は働きたくない。』に参加させていただきました。私はオフ会感覚で参加し、ご来客の皆さんと登壇者サイドがコンテキストをかなり共有できたと感じたので、「やっぱりこれはオフ会だ!」という印象を深め、旧時代の作法にのっとってオフ会レポートを書いてみました。 会場の雰囲気、お客さんの様子 当事者の方がたくさん集まったときに、 NHK とロフトプラスワンでこんなに雰囲気が変わるものかと思ったのが、一番の感想。 #働きたくないトークショー— afcp (@afcp_01) 2018年5月27日 afcp先生のおっしゃることに幾らか近い感覚は自分に

    ロフトプラスワン新宿『本当は働きたくない。』オフ会報告 - シロクマの屑籠
    kash06
    kash06 2018/05/29
    行きたいと思っていたが超リアルな用事が(ザ・適応)。いやいや、シロクマ先生の土台は思いっきり秩序側の人間だと思ってるんですけど、手法として混沌を撒く方がお好きですよね。笑いながら撒いてるイメージ。
  • 野太い人権、そして反緊縮―ブレイディみかこ『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』を読む - 関内関外日記

    THIS IS JAPAN――英国保育士が見た日 作者: ブレイディみかこ 出版社/メーカー: 太田出版 発売日: 2016/08/17 メディア: 単行 この商品を含むブログ (9件) を見る 確かにいまは英国でもこの層の人々はダサい社会悪の根源と見なされ、昔のように「ワーキング・クラス・ヒーロー」ともてはやされることはない。が、彼らはけっしてひるまない。ブロークン・ブリテン上等、と言わんばかりのやけくそのパワーで突き進むので、この先どんな大変なことになっても、とりあえずこの人たちは死なないだろうと思わされてしまう。 翻ってわが祖国である。 そこで暮らしている庶民には、ブロークン・ジャパン上等の気構えはあるだろうか。それどころか、ひょっとするとまだ沈んでいる自覚さえないのではないだろうか。 おれには日で暮らしている庶民のことはわからない。なぜならば人間関係というものがほとんどないの

    野太い人権、そして反緊縮―ブレイディみかこ『THIS IS JAPAN 英国保育士が見た日本』を読む - 関内関外日記
    kash06
    kash06 2018/03/22
    ゴルへさんの文章は、社会と人生が連続しまくっていて好きだ。決して私には書けないし、きっと理解も足りないだろうけども。
  • 『「若者」をやめて、「大人」を始める──成熟困難時代をどう生きるか?』を出版します - シロクマの屑籠

    このたび私は、「若者」から「大人」に変わっていく、境目の時期についてのを出版します。 はじめに 各章紹介 人生の少しだけ先のことについて、考えてみませんか 「若者」をやめて、「大人」を始める 「成熟困難時代」をどう生きるか? 作者: 熊代亨出版社/メーカー: イースト・プレス発売日: 2018/02/11メディア: 単行(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 定価:1500円(+税) 単行(ソフトカバー): 240ページ 出版社: イースト・プレス  ※表表紙はこんな感じ 発売予定日:2月11日 はじめに 人間は、子どもとして生まれ、やがて「若者」になり、いつか「大人」の仲間入りをして、最後には年老いて死んでいきます。 最近は健康なお年寄りが増え、アンチエイジングも盛んになりましたが、それらをもってしてもこの順番は覆せません。生まれが早い人から歳を取り、年老いた者から順番に死んで

    『「若者」をやめて、「大人」を始める──成熟困難時代をどう生きるか?』を出版します - シロクマの屑籠
    kash06
    kash06 2018/01/19
    唐突な「CLANNADは人生」で一旦笑う。変われない事が辛かった頃に「成長」「成熟」の語には非常に反発していたが「ダメだった過去は切り離して次に行っていいよ」という捉え方なら、むしろ希望を持てたのを思い出す。
  • ブレイディみかこ『労働者階級の反乱』(光文社新書) 7点 : 山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期

    11月6 ブレイディみかこ『労働者階級の反乱』(光文社新書) 7点 カテゴリ:社会7点 副題は「地べたから見たイギリスEU離脱」。イギリス人と結婚し、イギリスのブライトンに住みながら、保育士兼ライターとして活躍する著者がイギリスのEU離脱とその背景をリポート、分析した。 著者に関してはネットの記事などでご存じの方も多いでしょうが、このでもイギリスの労働者階級の只中で暮らしながら、彼らがどのような考えをもってEU離脱に賛成したのかということを的確に伝えています。 後半の第III部に関しては、著者がなどを読んで勉強したことがまとめてある感じでやや面白さは落ちるのですが、前半は金成隆一『ルポ トランプ王国』(岩波新書)に通じる面白さがありますね。 目次は以下の通り。 第I部 地べたから見たブレグジットの「その後」 (1)ブレグジットとトランプ現象は当に似ていたのか (2)いま人々は、国民

  • 『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断 - HONZ

    先日、新潮ドキュメント賞が発表され、ブレイディみかこさんの『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)の受賞が決定した。この作品を高く評価するのが、文藝春秋で数々の名ノンフィクション作品を送りだしてきた下山 進さん。作の魅力がどういうところにあるのか、特別に寄稿いただいた。(HONZ編集部) 新潮ドキュメント賞を受賞したブレイディみかこ 『子どもたちの階級闘争』を読んだ。素晴らしかった。 300ページで定価2592円って、どれだけ部数を絞ってるんだ? と最初腹立たしく思ったが、読んでみて、このクオリティだったらまったく惜しくない。 1996年にクールな英国に憧れて渡英した筆者は保育士だ。 託児所の日常が描かれるのだが、ここで凄いのは、その日常を子どもたちやその母親、そして保育士たちの世界のドラマで読ませつつ、英国の政治そのもの、のみならず世界のあちこちで起

    『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』日常風景に投影された、世界の分断 - HONZ
  • 「今日から日雇い労働者になった -日給6,000円の仕事の現場ー」 を読んでみた。 - うさるの厨二病な読書日記

    増田明利著「今日から日雇い労働者になった -日給6,000円の仕事の現場ー」を読んだ感想です。 「書は宿無し、定職無しの日雇い生活を一か月間行い、その生活ぶり、体調・心境の変化などを克明に記したルポルタージュである」 (文冒頭より引用) 一時期、派遣業界の仕組みに興味を持ったときに、この著者のを何冊か読みました。 フリーライターである著者が、ネットカフェや山野の宿に泊まりながら、一か月間日雇い労働の賃金だけで暮らす体験記です。 一日の最後に収支報告が記載され、何にいくら使って残金がいくらなのかということも書かれているので、その生活ぶりがリアルに感じられます。 自分もこのを読むまでは、 「日雇いで派遣現場で働きながら、ネットカフェで暮らすって、確かに不安定だし危険もあるけれど、不可能ではないよな。一日9,000円くらい稼げれば週二回休んだとしても、月に20万近く稼げるし」 と思ってい

    「今日から日雇い労働者になった -日給6,000円の仕事の現場ー」 を読んでみた。 - うさるの厨二病な読書日記
  • 『殺人犯はそこにいる』「真犯人」の存在を明らかにした "調査報道のバイブル" 文庫解説 by 牧野 洋 - HONZ

    徹底した「調査報道」のスタイル 調査報道のバイブル──。書を読み終え、こんな表現がぴったりではないかと思った。 正直に言うと、民放テレビ業界については「そこは報道ではなくエンターテインメントの世界」と見下していた。そのため、メディア業界を取材するなかでも、ジャーナリズムという視点からこの業界を観察したことがなかった。書の著者が民放テレビ局の記者だと知り、自分の無知と思い込みを恥じた次第だ。 書は、足利事件をはじめ北関東で起きた一連の事件を「北関東連続幼女誘拐殺人事件」としてとらえ、真犯人「ルパン」に迫るルポだ。すでにテレビ報道を見たり雑誌記事を読んだりして、この事件の概要を知っている人も多いだろう。だが、一つの物語としてまとめて読むべきである。 なぜなら、事件の大きさはもちろんのこと、ジャーナリズムが来担うべき機能について考えさせられるからだ。著者は事件の全容を描きつつ、自分自身が

    『殺人犯はそこにいる』「真犯人」の存在を明らかにした "調査報道のバイブル" 文庫解説 by 牧野 洋 - HONZ
  • 『兵士は戦場で何を見たのか』 - HONZ

    2007年4月、ワシントン・ポスト紙の元記者でピュリツァー賞受賞者デイヴィッド・フィンケルは、バグダッド東部にあるラスタミヤという、だれも行きたがらないアメリカ軍前線基地に赴いた。そこは、「すべてが土色で、悪臭に覆われ」、「風が東から吹けば汚水の臭いがし、西から吹けばゴミを焼く臭いがし」、「外に出るとたちまち頭からブーツまで埃まみれになる」場所だった。 2007年1月にブッシュ大統領が、「バグダッドの治安維持とイラクの自由のために」さらに2万人の兵士をイラクに送ると発表したのを受け、カンザス州フォート・ライリーを拠点にしていた第一歩兵師団第四歩兵旅団第十六歩兵連隊第二大隊がイラクに派遣されることになった。フィンケルが赴いたのは、この大隊に密着取材し、大隊の指揮官のラルフ・カウズラリッチ中佐を中心に、戦場における兵士たちの実情をレポートするためだった。 そして書(原題「The Good S

    『兵士は戦場で何を見たのか』 - HONZ
  • 電車が来ない_11/23文学フリマ東京出ます。 - orangestarの雑記

    文学フリマオー44『みかんの星』です。 夏コミ新刊の『を殺す仕事』(ウェブ公開分を加筆修正したもの+数作で連作になります) 『はてな村奇譚』上・下、『イズミさん』の四種を持って行きます。 よろしくお願いします。 今夜時間があったらペーパーも作っていきます。 以下、『を殺す仕事』のサンプルです。 同じテイストの漫画 タグ:を殺す仕事漫画にて同じようなテイストの漫画を描いています。よろしければご覧ください こちらの漫画を含めた同人誌を殺す仕事amazon kindle電子書籍)で発売中です。 を殺す仕事 作者: 小島アジコ発売日: 2015/11/28メディア: Kindle版この商品を含むブログ (2件) を見る ページ数は全112ページになります。物理書籍と台割が若干異なります。(見開きをせずに1ページずつ見ていくのを想定した構成にしてあります) ※サイトで掲載したものに

    電車が来ない_11/23文学フリマ東京出ます。 - orangestarの雑記
    kash06
    kash06 2015/11/22
    そもそも、何で駅に立ってるんだっけ。そうしないと生きられないんだったかな? そもそも、生きるために生きてんのかな?的な。文フリ、今回も遊びに行きます。
  • 金子良事『日本の賃金を歴史から考える』(旬報社)の広告 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

    もうすぐ刊行されるの広告です。 http://www.junposha.com/catalog/product_info.php/products_id/874 ブログでも時々やり合って皆様を楽しませてきた金子良事さんの単著です。タイトルは『日の賃金を歴史から考える』なんですが、左の写真の帯の文句にあるように このタイトルは過小広告! 賃金だけでなく日の雇用の全体像を歴史を軸に描き出した名著 です。 って、この帯の文句は、誰かと思えば私が言ってるんですが。 どれくらい過小広告かは、この目次を見ればわかりますよ。これくらい広く目配りして日の労働史を描いたはあまりないはず。 はじめに 第1章 二つの賃金 仕事と報酬 雇用における報酬の貨幣化の発生 工場労働者の登場 近世から近代への連続性は日だけのことか? 工場法の世界 報酬にたいする二つの考え方―感謝報恩と受取権利 賞与金(ボー

    金子良事『日本の賃金を歴史から考える』(旬報社)の広告 - hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)
  • SYNODOS Blog : 【書評】大竹文雄『競争と公平感』 芹沢一也

    2010/06/2401:00 【書評】大竹文雄『競争と公平感』 芹沢一也 小泉構造改革の行き過ぎた市場至上主義が、格差や貧困をもたらし国民生活を疲弊させた。こうしたクリシェ(決まり文句)がメディアや世論にすっかり浸透してしまった感がある。あるいは、小泉・竹中路線へのアンチとして、菅直人首相が打ち出した「第三の道」なるものも、ロジカルな現状分析による政策パッケージというよりも、同じクリシェに蝕まれた政治的想像力の産物だといった方が正確だろう。このような思考停止状態から目覚めるのに、書『競争と公平感』はうってつけだ。 それでは政府の役割を重視しているのかといえば、それもまったく違うらしい。「自立できない非常に貧しい人たちの面倒をみるのは国の責任である」。この考え方の賛否についても、日では賛成がわずか59パーセント。国際的にみてこの数字は際立って低い。ほとんどの国では80パーセントを超えて