近年、電子レンジが各家庭に普及し、手軽に短時間で食品を温めたり、調理することができるようになりました。たいへん便利な調理器具ですが、簡便が必ずしも良い場合ばかりとは限りません。 今回の食のサイエンスでは、電子レンジで加熱したさつまいもと、普通に蒸気で蒸したさつまいもの甘味の違いを取り上げてみました。 生のさつまいもに含まれる糖質は、そのほとんどがでん粉で、しょ糖(シュクロース)とぶどう糖(グルコース)がごくわずかに含まれています。 このさつまいもを蒸すと、70℃以下の温度帯でβーアミラーゼ(さつまいもの中に含まれる酵素の一種)の働きにより、でん粉の一部が麦芽糖(マルトース)に分解され甘味が増すわけです。 麦芽糖は昔から親しまれている「水あめ」をつくっている糖で、甘味の度合いは砂糖(しょ糖)を1とすると0.4程度を示します。 今回のテストでは、さつまいもを@蒸し器を使用し蒸気で蒸した