前回の記事「AIブームで進行する第4次“熱危機”、スピン利用で消費電力が1000分の1に」 このようにMRAMやMTJが実用化されれば、過去の3回の冷却期を大きく超える省エネルギー化が実現しそうだ。ただ、MRAMは大きな注目を集める一方で、これまでなかなか市場でブレークしない期間が長かった。本当に実用化できるのか疑問が残る。 結論から言えば、今回は本物で近い将来市場の急拡大がほぼ確実だ。米Global-Foundriesや韓国Samsung Electronics、さらには台湾TSMC、Intelなどの大手ファウンドリーや半導体メーカーが軒並み、混載用MRAM(eMRAM)やSTT-MRAMの個別部品を300mmウエハーで量産済み、または量産準備が整ったとしているからだ(表2)。