これから映画が公開される……からというわけでもないが、朝井リョウの直木賞受賞作『何者』とデビュー作にあたる『桐島、部活やめるってよ』を読んだ。後者は映画版も鑑賞。 ハッキリいうとみんなが大絶賛した映画版『桐島〜』はそこまでハマらず、普通におもしろかったという感じだったのだが、原作も読んだ直後は同じようなテンションで、なんでこれがここまでヒットしたのだろう、若い世代にウケたのかなーくらいにしか思ってなかった。 原作は小説すばる新人賞を受賞し、それでもって朝井リョウはデビューしたわけだが、驚いたのは選考委員である宮部みゆきがこれを「傑作」と評したことだった。なんといっても同じく選考委員を務めている直木賞にて、黒川博行氏の『破門』を「こういう小説はあまり好みではない」と前置きしたくらいの人である。こういった瑞々しいティーン向けの青春小説も同じように好きではないはずなのだ(石田衣良も誉めていたが、