1. スプリントレビューの目的まず最初にスプリントレビューの目的を再確認しておきましょう。 スクラムガイドの2020年版では、スプリントレビューを以下のように定義しています。 スプリントレビューの目的は、スプリントの成果を検査し、今後の適応を決定することである。 スクラムチームは、主要なステークホルダーに作業の結果を提示し、プロダクトゴールに対する進捗について話し合う。 スプリントレビューにおいて、スクラムチームとステークホルダーは、スプリントで何が達成され、自分たちの環境で何が変化したかについてレビューする。 この情報に基づいて、参加者は次にやるべきことに協力して取り組む。 新たな機会に見合うようにプロダクトバックログを調整することもある。 スプリントレビューはワーキングセッションであり、スクラムチームはスプリントレビューをプレゼンテーションだけに限定しないようにする。 ざっくりまとめる
みなさんこんにちは。@ryuzeeです。 スクラムのフレームワークの中身はスクラムガイドで定義されていますが、登場以来ずっと同じ内容なわけではなく、何度か改定が行われています(2010年版、2011年版、2013年版、2016年版、2017年版)。過去の改定内容はこちらに記載されています。 過去の変遷においてよく議論になる5つの項目についてWillem-Jan Ageling氏が5 controversial topics that were removed from Scrumという記事にまとめています。 御本人から快諾いただきましたので和訳にて紹介します。 スクラム再発見の時間です。 5年かそれ以上前にスクラムを適用した場合、現在のものとは異なる情報源を元にしていたはずです。 しかし、スクラムとして定義されてスクラムガイドで言及されたものの、ある時点で削除されたものが多数あります。 ま
昨日・7/26、【東京開催】Cybozu Meetup 西日本でのリモート開発事情 - connpass というイベントがあり、そこに参加してきた。 cybozu.connpass.com 僕は出身が岡山県で、「いつとは言わずともいつかは地元に帰りたいなぁ」という気持ちはずっと持っているので、そういう意味では「西日本」というワードに惹かれたのもウソではないのだけど、今回参加してみようと思った理由はもうひとつあって、それが「リモートスクラム」というキーワードがconnpassページ内に見られたこと。僕は前職でスクラムマスターをやっていた経験があり、現職でも(スクラムチームには入っていないものの、)スクラムのプラクティスが活用されている・しかもリモート拠点でやっている、ということもあり、「スクラム開発」はいまだに僕の興味トピックのうちのひとつであり続けている。 connpassページにもあると
4年間務めた株式会社セプテーニ・オリジナル、およびコミックスマート株式会社を退職しました。役職はどちらもCTOでした。どなたかの役に立つことを願い、4年間の活動とその結果をまとめます。2014年。開発組織を作るためにやってみた事 と 2015〜2016年で開発組織を作るためにやってみたこと を最新結果と共にまとめた物になります。 前提:自分は何をやりたかったのか "高速で高品質な開発ができる組織を作りたかった"が一つ。これは前のエントリ技術的負債について考えたで詳しく述べています。 もう一つは "有名プロダクトも知名度もない会社で腐った開発をしてたら、採用ができないよの解決"です。採用は会社の生存には欠かせない重要な要素ですが、エンジニアにはセプテーニの知名度はほぼありませんし、GANMA!等を除けば基本的に社内向けのツール開発になります。その上で開発文化も残念な状態になってしまってはエン
みなさんこんにちは。@ryuzeeです。 スプリントをずっと回していると、「いつもスプリントに追われている気がする」「一回立ち止まってゆっくり考えたい」「情報共有ができていない気がするので整理したい」「技術検証をもっとやりたい」「勉強時間をとりたい」といった話を聞くことがあります。 それに対して、どのように対処していくべきか考えてみましょう。 考えられる対応策はいくつもあるので、まずはそれを列挙します(ダメなものも混ざっています) 複数回スプリントを実施したら、1回分のスプリントでは開発チームは好きに活動する(✕)スプリントとスプリントの間に休憩を入れる(✕)フィーチャー開発以外の取り組みを行うスプリントを必要に応じて用意する(△)スプリントのキャパシティを見直して、開発チームが持続可能なペースで働けるようにする(◎)それぞれを順番に見ていきましょう。 複数回スプリントを実施したら、1回分
みなさんこんにちは。@ryuzeeです。 2017年3月18日におこなわれたProductivity Engineering − Forkwell Meetup #4の登壇資料『Effective Retrospective』の資料を公開します。 登壇の時間が20分ですので基本的な内容になっていますが、これからふりかえりを始める方やなんとなくいまのやり方がうまくいかないと思う方には役にたつと思います。 もっと詳細が知りたい場合は、アジャイルレトロスペクティブズを一読することをお勧めします。2007年の本ですがまったく陳腐化していないので参考になると思います。 なにかご質問があればTwitterなどでお知らせください。それでは。 SCRUM BOOT CAMP THE BOOK【増補改訂版】 スクラムチームではじめるアジャイル開発著者/訳者:西村 直人、 永瀬 美穂、 吉羽 龍太郎出版社:翔
みなさんこんにちは。@ryuzeeです。 スプリント中に対象のプロダクトバックログアイテムにどのように取り組んでいくか、というのは意外とよく質問を受けるので、ここで整理しておきたいと思います。 話を分かりやすくするために、スクラムボードを見ながら考えていきます。 アンチパターン1:プロダクトバックログアイテムごとに担当を決める まず最初に避けるべきなのは、プロダクトバックログアイテム単位で担当を決めてしまうやり方です。スクラムでは誰かが開発チームのメンバーに対して作業を割り当てることはしませんが、割り当てているかどうかに関係なく、開発チームのメンバーが「特定のプロダクトバックログアイテムにサインアップして、そこを全部担当する」というのも避けるべきです。 このやり方をした場合には、次のような問題が発生します。 開発チームのメンバーは自分がサインアップしたプロダクトバックログアイテムの完成ばか
サイボウズ kintoneチームの「改善」大公開! 新人も巻き込んだスクラム導入の成果とは? 連載「若手エンジニア、どんな活躍してますか?」第4回は「kintone」「cybozu Live」などを運営するサイボウズ編です。「チームワークあふれる社会を創る」を理念として掲げるサイボウズで、若手エンジニアはどんな活躍をしているのか、伺いました。 若手エンジニアのための情報メディア「エンジニアHub」。連載「若手エンジニア、どんな活躍してますか?」第4回は「kintone」「cybozu Live」などを運営するサイボウズ編です。「チームワークあふれる社会を創る」を理念として掲げるサイボウズで、若手エンジニアはどんな活躍をしているのでしょう。 取材に応じてくれたのは、若手プログラマの前田浩邦(まえた・ひろくに)さんと、メンター役だった天野祐介(あまの・ゆうすけ)さん。2人が属するkintone
はじめて「スクラム」をやることになったら読む本 高品質のソフトウェアをすばやく開発できる手法として、世界中で注目されている「スクラム」。実際の開発プロジェクトにどう適用すればよいのかをとにかくわかりやすく解説します。 これからスクラムをはじめたい人はもちろん、スクラムを導入してみたけどなんだか上手くいかないなぁ……と思っている方にぜひ手にとっていただきたい一冊です。 ・- 人気の先生たちが書き下ろした理論だけで終わらない“実践”の手引き ・- 実際のプラクティスを架空のプロジェクトをもとに詳細に解説! 刊行によせて James O. Coplienからのメッセージ 角谷信太郎からのメッセージ この本はどんな本だろう? はじめまして!! 基礎編 基礎編 Scrumってなに? はじめに アジャイル開発ってなんだろう? Scrumって何だろう 要求を並べ替える プロダクトの責任者は誰? 動作する
私達Backlog開発チームでは2016年1月から現在まで約3ヶ月、アジャイル開発手法のScrumに取り組んでいて、それなりに成果がでているように思います。理想的に上手く行っているという程ではありませんが、その試行錯誤の様子について書くことにしました。Scrumに興味がある方の参考になれば幸いです。 ※なお、私達の製品であるタスク管理ツール「Backlog」とScrum用語の「バックログ」が紛らわしいので、製品のほうはアルファベット、Scrum用語のほうはカタカナで表記しています。 もくじ 発端 目的 準備段階 第1回計画ミーティング 見積もり スプリントでの作業範囲決定 最初期(1回〜3回) すぐに発生した問題 最初の頃の感想 試行錯誤期(4回〜現在) 専門家に意見を聞いた 1週間スプリント ポイント見積もり・ベロシティ ケーキ 詳細見積もりによる精度向上 助けたこと/助けられたこと 実
みなさんこんにちは、@ryuzeeです。 今日はデイリースクラムについて、概要や注意点を紹介します。 なお、あくまで一般論であることに注意してください。スクラムの基本は「透明性・検査・適応」です。自分たちで随時やり方を検査して、もっとうまくできるように適応していかなければ効果はあがりません。 1. デイリースクラムの目的スクラムを利用するとき「フレームワークで決められているから」というだけの理解で進めてはいけません。これは全てのイベントに当てはまります。 スクラムのイベントはすべて、検査と適応が行われるように明確に設計されています。 デイリースクラムの最大の目的は、スプリントゴールの進捗を検査し、今後の作業計画を必要に応じて見直す(適応する)ことで、スプリントゴール達成の可能性を最適化することです。 毎日の検査と適応(高速なフィードバックループ)によって問題を早期に発見することでリスクを減
こんにちは、買物情報事業部の前田 (@TakatoshiMaeda) です。 今回は、クックパッド特売情報のサービス企画、開発を行っているチームがどのようなプロセスで日々ユーザー価値の向上に取り組んでいるのかお話します。 チームでは様々な取り組みを行っていますが、今回は バックログ運用 計画のもととなる、サービスで実現したいストーリーリスト スプリント計画 バックログから実際の行動計画に落としこむまでのプロセス ふりかえり スプリント計画の実施結果を振り返る仕組み の3つについてご紹介します。各取り組みのより詳細な内容についてはスクラムガイドをご覧ください。 バックログ運用 特売情報の開発チームはディレクター/デザイナー/エンジニアで構成されていますが、全てのメンバーがサービスをどのように良くしていくべきか考え、日々活発に議論しています。 日々の何気ない会話や、業務の中で得られた知見から生
Scrumと組織 1. Scrumと組織 2. 吉羽龍太郎 (@Ryuzee) アジャイルコーチ 認定スクラムプロフェショナル(CSP) 認定スクラムマスター(CSM) 認定スクラムプロダクトオーナー(CSPO) http://www.ryuzee.com/ 野村総合研究所等を経てベンチャーのCTOhttp://www.flickr.com/photos/adforce1/2539903964/ 3. なぜAgileが必要なのか? 4. 企業のおかれた状況• ビジネスの環境の変化• 迅速な意思決定と具現化が求められる• 変化しないことは市場から見捨てられるリスク がある• 企業自身が変化していくことが強く求められる• IT投資の目的の変化 – 業務効率化から戦略実現へ – いままではコスト削減、業務効率化ができていれば 良かったが、システムが他社との競争力の源泉に なってきている – よい
日報を継続する方法があったら教えて欲しい、id:Songmu です。最近はMackerelチームのディレクター兼デベロッパーをやっています。 リモートワークと情報共有 Mackerelは、8名程度で開発しており、開発メンバーは京都・東京・愛知の3拠点に散らばっており、リモート勤務も各自の裁量で行えるようになっています。 リモートワークにおいては細かい情報共有をなるべく労力をかけずに行うことが必要になりますが、そのために以下のようなツールを利用しています。 開発手法としてスクラムを採用 Hatena::Groupによる情報共有 Github/Zenhubを用いたプロジェクト管理 Slackでのチャットコミュニケーション Zoomによるオンラインミーティング Mackerelチームでは、Hatena::Group上で日報を書くことを推奨しており、今回はその話です。 Mackerelチームの一日
ここ最近、自分が見ているプロジェクトの1つで、うまくスケジュール通りに作業が進んでいなかったので、その対策をした。 その中でも特に効果があった2つを紹介する。 背景 簡単にプロジェクトの背景を説明する。 スクラムっぽい開発をしている スプリントの期間は2週間 スクラムマスターはいるが専任ではない すでにリリース済みで運用中のWebサービスである 基本的によくあるスクラムっぽい感じで、2週間というタイムボックスの中にチームが作業可能なストーリーを突っ込んで、ひたすら消化する。 スプリントの最後には、レビューをして、次のスプリントの計画を立てる。 スクラムマスターは、一応自分が担当しているが、専任ではないし、他のプロジェクトも見ているので、注意深くチームを見れていない。 課題 以下のような課題があった。 バグの修正や問い合わせ対応など、計画時に含まれていなかったタスクがスプリント中に増えてしま
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