美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史(西田宗千佳) 未来作家クタラギを正面から評価しなおした本。 色々と残念な部分も多いが、まずはこのPS3逆境の時期にこういう内容の本を執筆した著者と出版した講談社をねぎらいたい。 久夛良木氏ってよくわからない人だったな、という印象をお持ちの人にはぜひ本書をよんでほしい。未来を予測するのではなく、本当に自分の手で作り出してきた漢のロマンスが存分に伝わってくるはず。発言の無邪気さで多くの反感を買ってきたのは事実だが、それは久夛良木氏が経営者といち技術屋の両方の魂(ソウル)をもった人物である証。けじめをつけ、退任した今だからこそ、偉業は偉業としてすなおに評価したい。 PCに代わる新しいコンピュータを作りたいという久夛良木氏の情熱は本当に熱い。何かにつけて、グーグル神マンセー、ジョブズ神は完璧ビジョナリーと口にするしか能の無い、腑抜けた日本