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それは私が『原子力防災─原子力リスクすべてと正しく向き合うために』という本に出合ったからだ。3.11後、原子力発電所事故に関する文献をあさっていて、この本を見つけて読んだとき、椅子から転げ落ちそうになるほど驚いた。 福島第一原発事故、そのあとの住民の大量被曝など、原発災害すべてについて「そうならないためにはどうすればよいのか」という方法が細部に至るまで具体的に書かれていたからだ。逆に言えば「これだけの災害が予想できていたなら、なぜ住民を被曝から救えなかったのか」という疑問が心に焼き付いた。 私がずっとフクシマ取材で「答えが見つからない」「答えを見つけたい」と思っている疑問は「なぜ、何万人もの住民が被曝するような深刻な事態になってしまったのか」「どうして彼らを避難させることができなかったのか」だ。だから「どんな避難計画があったのか」「どんな訓練をしてきたのか」を福島県や現地の市町村に聞いてま
1927 年、兵庫県生まれ。50 年京都大学理学部卒業。同大大学院を経て、54 年同大理学部助手。57 年よりエジンバラ動物遺伝学研究所(英国)、カーネギー発生学研究所(米国)にて研究。60 年京都大学講師、61 年同大助教授、67 ~85 年同大教授。84 年より岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所所長、89 年より同機構長。93 年よりJT 生命誌研究館館長、現在に至る。国際発生生物学会総裁、国際生物科学連合副総裁などを務め、国際的にも、独特の岡田節ぶしで知られている。 私自身の経歴――これを私誌という――については、これまでさまざまなところで語ってきたし、いささか興味をもってくださる方もあって、あちこちに書きもしたので、繰り返して語るのはあまり気のりがしない。しかし、今回は、わが生命誌研究館の刊行する雑誌『生命誌』のサイエンティストライブラリーのためのもので、いわば私にとっての「本命
科学者の良心は“分からない”という感性の中にある。皮肉にも勉強が”分からない”ばかりに科学を嫌いになってしまった全ての人々へ。 この文章は、”分からない”という気持ちをプラスに転じるための、ひとつの処方箋である。 突然ではあるが、プラモデルの箱、あるいはジグゾーパズルの箱を思い浮かべていただきたい。もしこの箱を開けたときに、完成品のプラモデルが入っていたら、どうだろうか。何かしら落胆することは間違いないであろう。僕らがプラモデルの箱の中に期待していたのは、既に形作られた何かではなく、自分の手で小さな部品を組み立て、形を作っていく、言わば創造への旅路なのである。 完成品ではなく、そこに至る過程にこそ醍醐味があるという意味では、科学はプラモデルに似ている。 例えば、「りんごは引力に引かれて地球に落ちる」という文言をしばしば耳にするが、実はこの知識自体に科学の味わいがあるのではない。何故そのよう
1996年、ある特定の遺伝子と、特定のパーソナリティとの関係を明らかにする一大発見が発表された。それも、一気に2つの遺伝子(群)が特定されたということで、「遺伝と環境」に興味を持つ関連領域は大騒ぎになった。 なお、パーソナリティは、心理学の用語としてカタカナのまま使われることが多いようで、定義も研究者によってまちまちだ。日常的な言葉としては、性格とか気質、といったものに近いのだろうがこれらも心理学の言葉としてそれぞれ使われるから紛らわしい。ここでは、カタカナのままにしておく。 1996年の大発見のうちのひとつは、このようなものだ。 「DRD4という遺伝子がありまして、これはドーパミン(脳内に存在する神経伝達物質のひとつ)の受容体に関するものだと分かっていました。それが、心理学的なパーソナリティのひとつ、「新しいもの好き」──専門的には新奇性追求とか言われますが──と関係があることが分かった
目次へ 公開: 2011年12月23日 / 最終更新日: 2011年12月23日 更新情報を Twitter で伝えます 放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説 理科系の文献や解説には、\(6.02\times10^{23}\) とか 5E-2 みたいな(知らない人には)謎な数字の書き方が出てくる。 「10 のべき乗」を使った数の書き方だ。 ぼくの解説でも、ちょっと進んだ「理系向き」の解説のなかには頻繁に登場する。 知っておくと絶対に便利だし、難しいことではないので、ここでていねいに説明しておく。 「一般の大きな数、小さな数」までの四つの項目を読めば、色々な文献を読むためには十分。 10 のべき乗 --- 大きな数 たとえば、\(10000\) つまり一万という数は、\(10\) を \(4\) 個かけあわせたものだ。 このことを、 \[ 10000 =
◎内なる倣慢さを自覚しているか 話し方が上手、下手という問題以前に、教師の人間性の問題がある。 私たち教師は、知らず知らずのうちに倣慢さを身につけやすい。 大学を出たばかりでも、一国の主である。指導力量がなくとも、授業を行い、クラスを受けもつ。しかも相手は小学生や中学生など自分よりずっと年下で未熟者だ。それに加えて、余程のことがない限り、誰にも叱られるということがない。これでは倣慢にならないほうが不思議である。 それだけではない。小・中学校ではまあまあ 〝優秀〝、高校で 〝少し落ちこぼれ〝 て、教育学部などへ進み、教師になるというパターンが多い。〝ソコソコ〝 の子ども時代を送り、〝ソコソコ〝 の職業についた。他人から 〝先生、先生〝と言われる。やっぱり、倣慢になりやすい。 ついついえらぶってしまうのが教師なのだ。そこのところを自覚して、倣慢さを最小限におさえたい。 生徒は言う。 「はなから
糸井 重里 @itoi_shigesato ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そして「よりユーモアのあるほう」を選びます。 斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga 糸井さんとはお会いしたことはありませんが、もちろん約30年前から存じ上げています。糸井さんの凄さを感じさせられたのは、福島原発事故後に糸井さんがツイートした言葉です。それを紹介すると――。ぼくは、じぶんが参考にする意見としては、「よりスキャンダラスでないほう」を選びます。(続く) 斗ヶ沢秀俊(4月からの職を探しています) @hidetoga 「より脅かしてないほう」を選びます。「より正義を語らないほう」を選びます。「より失礼でないほう」を選びます。そし
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Tweets by @kumicit ■東芝がウェスチングハウスをコントロールできないことが勝利の決め手だった?(04/09) ■人生に意味を与えるUFO(03/14) ■UFO統計(03/14) ■2011年9月20日(01/30) ■180年くらい歴史がありそうな都市伝説「ブアメードの血」(08/06) ■143年の歴史を誇る都市伝説「ブアメードの血」Update 2016/08/05(08/05) ■メモ「人種偏見と発砲判断」(07/24) ■ハーブレメディは見過ごされている世界的健康被害(05/30) ■メモ「メスメリズムで死人が蘇生すると書いてたHahnemann」(05/08) ■メモ「ホメオパシーとデュナミスの関連調査中...」(05/05) ■メモ「危機的状況化での非難の政治力学」(04/24) ■メモ「災害後の人々の行動」(04/21) ■東芝がウェスチングハウスをコント
4月30日に朝日カルチャーセンターで講演会をやってきました。そのスライド 「震災にともなう放射線リスクと科学情報発信」を 「ここ」 におきました。いろいろな方からおかりしたスライドが入っていて、まだ完全に引用先をつけきれていないのですが、講演メモも twitter 上に tweet されている方もいるようですので、暫定的に公開します。 #修正 40page 目の図 は柴田先生の講演スライド( http://kogakuinuniv-ext.jp/category/family/post_131.html ) からの引用ですが 一般人のリスクの記述[リスクは(年あたり)]→[リスクは(生涯で)] とするのが正しいとおもいます。久世先生ご指摘ありがとうございました。
福島原発問題について(科学者の眼)――科学者による原発事故の解説† 文責:エネルギー・原子力問題研究委員会 「この解説についての御質問やご意見は、gempatsuアットマークjsa.gr.jp にお寄せ下さい」 <解説1>易しい原子炉の話† 事故の説明をする前に、簡単に原子炉の説明をします。図1と2には、福島第一原子力発電所1~4号機と同じ沸騰水型原子炉の様子が示してあります。これらの原発は大変古いタイプでマークI型と呼ばれ、「だるま」のような格納容器とその下にドーナッツのような圧力抑制室を持っています。格納容器の中心ある筒形のものが圧力容器で、原子炉本体とも呼ばれます。図3は、圧力抑制室の形がやや異なるタイプの原発(マークII型、その働きは同じ)ですが、この図を使って発電の仕組みを説明します。巨大な湯沸しです。原子炉(圧力容器)の中心には核燃料(金属の被覆管にウランを詰めた燃料棒)の束か
Nature Japan » Nature » Nature 特別翻訳記事 » Nature News: We Don't Know Enough about Low-Dose Radiation Risk Nature 2011年4月5日オンライン掲載 | doi:10.1038/news.2011.206 低線量被曝の危険性に関する知識はまだ不十分 低線量被曝が健康に及ぼす長期的危険性については、いまだにほとんどわかっていない。合理的な判断の根拠となる知識を得るには、低線量被曝に関する集団研究と発がん機構に基礎研究を組み合わせていく必要がある。 David J. Brenner 震災以降、福島第一原子力発電所では、損傷した原子炉からの放射性物質の放出が続いており(Nature 2011年3月31日号555ページ参照)、人々は不安を感じている。事故現場で働く原発作業員はどの程度の危険にさ
3月11日に発生しました東北地方太平洋沖地震により被害を受け られました皆様に心よりお見舞い申し上げます。 一人でも多くの方の命が救われるよう、併せて被災に遭われた 方々の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げます。 (中略) 本日、失敗学会会員の吉岡律夫さんが、フジTVの「知りたがり」 に出演され、福島第一原子力発電所の事故に関して、冷静に、かつ 正確に事故を解説されていました。 吉岡さんの情報解説を、内部メールリストであらかじめ共有して いた失敗体験ネットワークメンバーの多くは、放送を視聴できまし たが、失敗学会でも近々に吉岡さんの解説を聴く機会をアレンジ したいと考えています。 (後略) その吉岡律夫さんが快く、資料の公開を御提案くださいました。 ここに挙げた一連のメモは、失敗学会の公式見解ではありません 。 また、福島第一原子力発電所では、24時間体勢で緊急対応がなされています。 現場
これまでに書いたニセ科学関連文書の一部を置いています。 なお、 blog( http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog) でもニセ科学に関する議論を行なっていますので、覗いてみてください ニセ科学は、似非科学、疑似科学、トンデモ科学、超科学( または、ちょー科学、ちょ〜科学)などとも呼ばれます。 それぞれ微妙にニュアンスが違いますが、私は「ニセ科学」がいいと 思っています。なお、「疑似科学」という言葉を使うかたが多いのですが、 この言葉には価値判断は含まれません。SFの評論などでは「よくできた 疑似科学的説明」などという使い方をすることがあり、この場合はむしろ 褒め言葉でしょう。私はSFファンなので、「疑似科学」という言葉は こういう場合のために温存しておきたいと考えています。 ニセ科学とつきあうために(2010年版) ニセ科学とつきあう
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