個人主義が生んだ少子化の弊害 最近の日本の一番大きな問題に、少子高齢化がある。高齢化のほうは喜ばしいが、少子だから高齢者の多い社会になるのだ。なぜ少子になるかというと、まず女性が結婚をしない。「よい男性がいない」という。でも男性に聞くと「よい女性がいない」といっている。両方でいっているわけだから、仕方がない。40歳の男性の2割がまだ独身だ。女性だけでなく、男性も結婚しない。つまり、子どもを持とうと思わない。「子どもはやっかいだ、1人で暮らしているのが一番いい」。これが個人主義だ。個人主義を徹底すると、妻も夫もわずらわしい。 なぜ日本人がこんなに個人主義になってしまったか。それがこの問題の根本で、やはり学問の弊害だと思う。「学問公害」とでもいえばいいのか。大学で教える学問には“個人主義”という毒が潜んでいるのだ。 理科系はともかく、法学部や経済学部など文系の学問は、根本が個人主義な