毎日新聞の実施した衆院選全候補者アンケートでは、政権奪還を目指す自民党候補が過去の衆院選の同党候補に比べ、憲法や外交・安全保障の分野で保守色を先鋭化していることが浮き彫りになった。その分、選挙協力する公明党との政策の隔たりが広がり、政権に復帰した場合も与党内の調整が難航する可能性もある。【松尾良、中井正裕】 自民党は衆院選を控え、谷垣禎一総裁当時の今年4月、憲法9条に「国防軍の保持」などを明記した新たな憲法改正草案を公表した。今回の衆院選政権公約にも草案を引用し、改憲の方向性は各候補に浸透。憲法改正について賛成と答えた自民候補は98%に上り、05、09年の両衆院選と同様の結果となった。 自民党は09年衆院選で政権を明け渡し、民主党に対抗するため、自らの主張を鮮明にするよう迫られていた。改憲への取り組みは自民党の主要政策になっており、12年衆院選のアンケートで9条改正に賛成と答えた自民候補は