【ワシントン=小川聡】米国務省当局者は28日(日本時間29日)、稲田防衛相の靖国参拝について読売新聞の取材に「米政府は、歴史に起因する問題には癒やしと和解を促進するように取り組む重要性を、引き続き強調する」とのコメントを出し、歴史認識を巡る問題には慎重に対応するよう改めて求めた。 米政府は2013年末に安倍首相が靖国神社を訪問した際、「失望した」とする談話を発表し、日米関係はぎくしゃくした。ただ、今回は厳しい批判は控えている。首相の真珠湾訪問で内外に示した日米の「和解」ムードに、影響を及ぼしたくない考えとみられる。 一方、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は「日本の防衛相が、真珠湾攻撃の犠牲者を慰霊する式典出席から帰国したその翌日に、周辺国から『日本の軍国主義の過去を美化している』と見なされている神社を訪問した」と批判的に伝えた。
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