1月4日、岸田文雄首相は、三重県伊勢市で年頭の記者会見で「何としても賃上げを実現」と述べたが、これは無理ゲーである。 https://news.yahoo.co.jp/articles/b6ac93bf9f977a2cbf31b48358f39b3ae3e913fb その理由について、メディアでは様々なフワッとした論拠が語られることが多く、いったい「なぜ日本は賃金が上がらないのか」について、実はよく分かっていない人が多いのではないかと思ったので本記事を執筆した。 以下では、実務的な視点を含めて7つの賃上げ困難な理由を提示すると共に、筆者なりの解決案を提示したい。 前提:過去の景気回復期でも日本は賃金が上がらなかった 図は、拙著「なぜ景気が回復しても給料が上がらないのか」にて引用したものだ。 これは、戦後最長といわれた「いざなぎ景気」を超えたと言われる2002~2007年の景気回復期である。