印刷用PDF(有料会員サービス) 消費の先行きがはっきりしない。むしろ、失速気味である。 なぜなのか。収入、所得が上がらないからと答えるのが、一般的だろう。 昨年は、名目では賃上げが実現できたが、物価を考慮した実質ではマイナスだった。2016年に入って、賃上げの労使交渉が進む中で、政府の期待や要請を裏切って、大手企業のベースアップはわずかなものにとどまった。円高基調への転換で賃上げを判断する経営者は、海外市場に依存しない小売などの国内企業に限られる。その結果、金融緩和→円安→企業収益拡大→賃上げ→消費拡大→経済成長→企業の収益拡大というデフレ脱却による「アベノミクス」の成長戦略の経路は断たれた。ここで、法案通りに、消費税10%への再増税を進めれば、消費拡大の道は完全に断たれる。アベノミクスを支持してきた、ノーベル経済学賞受賞者であるP.クルーグマンや最近、政府の要請で来日したJ.スティグリ
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