牧瀬稔(財団法人地域開発研究所研究部研究員 ) ◇シンクタンクの存在意義とは何だろうか 今日では、様々な主体が地域再生に取り組みつつある。着実に成果を出している地域がある一方で、なかなか成功の軌道に乗らない地域もある。地域を活性化し、注目を集めている事例を抽出すると、小布施町(長野県)や大分県の由布市(湯布院町)、境港市(鳥取県)などが思い浮かぶが、少ない現状がある。あるいは、一定の成果が結実しても、それは一時的な成果に終始し、気がつくと再び地域が披露している状態に戻っていることが少なくない。つまり、持続可能な地域再生になっていないのである。 地域再生を阻害する要因は、多方面から検討できる。その中で、シンクタンクの存在も地域の活力を抑圧する一つの要因となっているのではなかろうか。 今日、地域再生におけるシンクタンクの功罪は多く語られる。その中で、「功」よりも「罪」のほうが多いような気が