「これからは、データ活用も含めてUIやUXのデザインが重要になる」 「いやいや。無形のものまでデザイン対象に含めるから、日本のデザイン力は低下した。今こそ、物のデザイン力を高める必要がある」 こんな議論から『産業競争力とデザインを考える研究会』はスタートした。委員の間ですら、デザインの定義が定まらない。それこそが、社会における「デザイン」のつかみどころのなさを象徴しているように感じた。 まあまあ。それでも、それぞれの信念がありますし。 研究会の途中までは、自己の信念や意見は発言しながらも、他人の意見には必要以上に被せない。そんな大人な作法を通じて、和やかに、でも統一見解にまとめることは難しそうな雰囲気で進んでいた。そんな流れが変わったのは、研究会も半ば。宗像長官の存在だ。 「デザイン思考の本質は、どこにあるのですか?グローバル競争に負け続けている日本にとって、デザインは突破口になりうるので