ブックマーク / tsuka-ryo.hatenablog.com (15)

  • ロバート・ノージック『考えることを考える』 - Repeat The Ending

    哲学者ロバート・ノージックが三十代にしてデビュー作『アナーキー・国家・ユートピア』を著し、注目を集めた7年後、政治哲学から一転して哲学来の課題に取り組んで書き上げたのが書だ。 ロバート・ノージックは1938年にロシア系ユダヤ人移民の子としてニューヨーク市、ブルックリンに生まれた。そのことが彼の思想形成に相当の影響を及ぼしていることが書の謝辞において述懐されている。 彼は高校時代に社会党の青年組織に加入するなど、早くから政治・経済に関心を持っていたようだ。プリンストン大学時代では論理実証主義者であるカール・ヘンペルに師事した。 ノージックがデビューする少し前、ちょうどその頃ロールズの『正義論』が出版され、高い評価を得ていた。ノージックはロールズに心酔しつつも対抗意識を燃やし、『アナーキー・国家・ユートピア』を書きあげたようだ。 しかし、やがてノージックは自らの政治哲学の概念の洗い直しの

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    kei_ex 2011/06/08
    分析哲学者としてのノージック。
  • 「言語」なんて存在するのだろうか - Repeat The Ending

    あなたが友人と遊んでいるときに、飲み物やおつまみかなんか足りなくなって、買い物に行こうと席を立ったときに ある友人が「おれ(わたし)も一緒に行く」と言ったとしたら。 まあまず、「同行の意思の表明」だと受け止めるよね。常識的に考えて。 その一階上で様々な「含み」にあなたはおのずから誘導されることと思う。あなたの方向音痴を心配してるとか、もしや買い物スキルを疑ってるとか、いやいやあなたと二人っきりになりたいんだとか。 分析哲学界の重鎮ドナルド・デイヴィドソンの有名なテーゼ「言語は存在しない」 これは「言語というものはインクの染みや空気の振動にすぎない(キリッ)」とかそういうレヴェルの話で終わるわけではもちろんない(それだけなら高校生でも思いつきそうだ)。 問題なのは規範のようなものが存在しないとか無意味であるということではなく、コミュニケーションの成否がその遵守・違反と一致しないことだ。 デリ

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    kei_ex 2011/01/29
    デイヴィドソン
  • 奇妙なすれ違い─伊勢田哲治・藤野寛による鶴見俊輔インタビュー - Repeat The Ending

    鶴見俊輔に関しては正直ノーマークだった。プラグマティズムの輸入者程度に思っていた。 まさかハーバード大学でホワイトヘッドやラッセル、クワイン、カルナップといった英米系哲学者の、目もくらむメンツに直で教わっていたとは。 しかも分析哲学・科学哲学の俊英・伊勢田哲治氏が雑誌でインタビューしてるというじゃありませんか。伊勢田哲治氏がその事実を知った時はさぞや意外に感じただろうな、と思う。俺も何かの検索でみつけた時はびっくりした。 伊勢田氏が鶴見氏に突撃し、「あーた、いかにも日風の思想家っぽく振舞ってるけど元々まっとうな分析哲学者だったんじゃないですかあ!」と問い詰めたり(そこまでカジュアルに言ってないけど大意は大体あってる)鶴見俊輔論を書いているのが『思想』2009年第5号の以下の記事。 ・『思想の科学』の原点をめぐって─鶴見俊輔氏に聞く─ 聞き手:藤野寛、伊勢田哲治 ・「言葉の力をめぐる考察」

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    kei_ex 2010/09/28
  • 新自由主義って何だろうか - Repeat The Ending

    どうも"新自由主義"とか"ネオリベ"という言葉が一人歩きしてるというかマジックワードみたいになってる気がして、最近新自由主義について調べているんですが、新自由主義の問題提起の代表選手ということで、デヴィッド・ハーヴェイ『新自由主義』を手にとってみました。ところでハーヴェイって地理学者なんですね。全然知らなかったよ。引用数とか最も多いらしい。 書でハーヴェイは、新自由主義の質は50〜70年代にかけて力を奪われてきた資家階級・政治エリートのとりわけ金融資を中心とするそれの権力回復だとみなし、新自由主義の歴史を総括している。この辺はちょっと左派っぽいというかなんというか。 ところで書では英米や中国ロシア韓国、さらにはアルゼンチン、メキシコなんかまで扱ってる割に日は触れられてない。しかしそれを補うように付された巻末の、訳者による論稿「日の新自由主義」これがとても面白い(編より?

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    kei_ex 2010/07/02
  • ラリー・ラウダンとは何者か―『科学と価値』 - Repeat The Ending

    読書 | 03:58日で言及される科学哲学者といえばポパー、クーン、ファイヤアーベントあたりが鉄板で、あとクワインなんかもたまに見かけるなーぐらいだという認識なんですがラリー・ラウダンって名前あんまり聞かないよね?このラリー・ラウダンなる人物、名古屋大の熊…いや戸田山和久さんに言わせると現代科学哲学最重要人物ということになるらしい。思いっきり単純にあらわすとラウダンとは自然主義者にして(科学哲学的な意味で)合理主義者、そして科学的実在論の批判者である。 自然主義とは自然主義は哲学一般のやり方についての主張・メタ哲学のことで、科学とは独立した哲学独自のやり方で科学的方法の基礎付けができるとする立場を第一哲学というが、その第一哲学とは異なり、科学の方法と成果を取り入れようとするのが自然主義「反証可能な理論を採用しろ」とか「アド・ホックな仮説は避けろ」といった科学の規範にどうやって保証を与える

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    kei_ex 2010/05/09
  • 『暴走する脳科学』&『心の脳科学』 - Repeat The Ending

    暴走する脳科学 (光文社新書) 作者: 河野哲也出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/11/14メディア: 新書購入: 7人 クリック: 99回この商品を含むブログ (42件) を見る心の脳科学―「わたし」は脳から生まれる (中公新書) 作者: 坂井克之出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2008/11/25メディア: 新書購入: 12人 クリック: 63回この商品を含むブログ (30件) を見る 最近では脳科学が社会に広く認知され、多くのが出版されている。 ・人間関係での悩み→他人の意思決定の問題→意思決定を行うのは脳→脳科学 ・うつ病→脳内物質の問題→脳科学 ・能力を高めたい→記憶力や身体能力を高めたい→それらを司るのは脳→脳科学 みたいな感じで自分も含めて悩める現代人は脳科学に救いを求めるのかもしれない。 しかし山のように出版されている「脳」は玉石混交である。 じゃ

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    kei_ex 2009/11/04
    "人間同士の相互作用としての社会性の研究は困難であろう。というのも複数の脳の間の相互作用を継起的に追える観察装置がいまだ存在しないからである。"
  • 福岡伸一×斎藤環 トークイベント@紀伊國屋サザンセミナー - Repeat The Ending

    科学者というのは一般に承認されうる知の体系を語る人々なのであるが、時として何を間違えてか詩人・文学系の素質を持った人が科学者になってしまうことがある。ちょうど何年か前に多摩川にアザラシが迷い込んだように。by俺 昨日、紀伊國屋サザンセミナーに福岡伸一さんと斎藤環さんのトークイベント『科学と非科学のあいだ〜ライアル・ワトソンとは何者だったのか』を観に行ってきた。 「科学と非科学のあいだ ライアル・ワトソンとは何者だったのか」 このイベントは福岡さんが翻訳したライアル・ワトソン著『エレファントム』の刊行イベントで、福岡さんはいいとしてなぜお相手が斎藤環さんなのかというと実は斎藤環さんが前に書評でワトソンの非科学性をけっこう厳しく指摘していたらしくて、よせばいいのに、じゃあ斎藤環さんを呼んで福岡さんとライアル・ワトソンや科学について語ってもらおう、ということになったらしい。 さてライアル・ワトソ

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    kei_ex 2009/07/07
  • SIGHT vol.40 極私的まとめ - Repeat The Ending

    SIGHT (サイト) 2009年 07月号 [雑誌] 出版社/メーカー: ロッキング・オン発売日: 2009/05/30メディア: 雑誌 クリック: 75回この商品を含むブログ (6件) を見るここに書いてあるのは私的なまとめです。購入を考えてる人が参考にしたりすればいいと思います。ここに書いてあることを根拠に何か主張したりしないでください。そうする時は今号の『SIGHT』を買うなり万引きするなりして手に入れて実際の文章にあたってやってください。 外交と自民党/藤原帰一 「日は大国なんだから大国として認めてもらいたい、中国より俺のほうが偉いとか、そんなくだらないことを言うぐらいだったら、実際に日は大国なんですから、国際秩序をどう作るのか、どんな役割を担うのかって議論が必要なんです。それ、全然ないでしょう?」 経済と自民党/小野善康 ――たとえば直接税も、いわゆる所得再分配機能をものす

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    kei_ex 2009/06/08
  • 斎藤環氏、文春にてモギケンを語るの巻 - Repeat The Ending

    先週の週刊文春で斎藤環さんが、2年ほど前にモギケン(茂木健一郎)さんとの往復書簡を試みて、承諾してくれたにもかかわらず第一信を出して以来モギケンさんから返事が来なかったことについて書いている。内容はモギケンさんの「脳科学」について。モギケンさんといえば「脳はこうだ、だから社会がこうなのだ」みたいな科学者にしてはかなり突飛なことを言う人で、斎藤環さんはそれに対し「現段階では脳についてそこまで分かってないし飛躍があるんじゃないか」と疑義を呈しているわけだ。ちなみに斎藤環さんは、現段階でわからないことについては、科学とは名乗らず自覚した上で「仮説の集積」を利用できるなら利用しよう、しかし可能な限りエビデンスベースドで、というバランスの取れた人だ。「お金で買えない価値がある。買えるものはマスターカードで」だ。・・・ごめん。意味不明だった。科学に対する距離感でいうと認知心理学者の下條信輔さんなんかが

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    kei_ex 2009/05/10
    斎藤環が茂木健一郎について語る。
  • 万引きの罪ってオッキーナ - Repeat The Ending

    現在、神奈川県内のコンビニなどでこのようなポスターが貼ってあるのが見受けられます。見た瞬間違和感を感じたのだが、なんつうか、犯罪防止の目的で作られたポスターがいくらなんでもポップ過ぎやしないかと。なんか我々若者がナメられてるような気がするのである。「アッキーナが言えば守るんだろお前ら?」みたいな。 神奈川県HPによると http://www.pref.kanagawa.jp/osirase/00/1197/chiji/kaiken/h21/h20090402.html 県出身で、「アッキーナ」という愛称で、今、若者に大変人気のあるタレント南明奈さんにモデルとなっていただき、「万引きの罪ってオッキーナ」というキャッチコピーで、万引きがとても重い犯罪であることをアピールいたします。 こんな軽いノリのポスターで重い犯罪であることを気でアピールする気があるのか小一時間問い詰めたい。重い内容を持

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    kei_ex 2009/04/28
  • ミシェル・フーコー『わたしは花火師です』 - Repeat The Ending

    わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫) 作者: ミシェルフーコー,Michel Foucault,中山元出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2008/09/10メディア: 文庫購入: 7人 クリック: 40回この商品を含むブログ (44件) を見る構造主義を代表する思想家フーコーの、最も脂がのっていた70年代のインタビュー集。難解な構造主義の中でも割と明晰な方といわれるフーコーではあるが、やはりいきなり人の代表作に挑むのも無謀かもしれないと思い、入門書のつもりで読んでみたら、これが当たり。フーコーの思想の根幹がかなり分かりやすい言葉で語られている。それも研究者ではなくフーコー人によるセルフ解説なので安心して受け入れることが出来る。訳者の中山元氏によればタイトルの「花火師」とはアルティフィシエという、あるいは「爆破技師」とも訳せる言葉なのだそうだ。フーコーは自らが哲学者

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    kei_ex 2009/04/27
  • アーティストのオバマに対する発言・まとめ - Repeat The Ending

    先月発売のSIGHTでロックという観点からオバマ勝利を捉えてみる、という、いかにも渋谷陽一の雑誌らしい特集をやっていて、内容も面白かったので、特集内の記事の中から各アーティストのオバマに対する発言や行動を抜き出してまとめてみた。ちなみにオバマは「僕はブルーススプリングスティーンになれなかったから大統領になった」と語っていたらしく、ロックファンである。それにしても、グリーンデイやレイジあたりはわかるとして、普段政治的な発言を拾われることの少ないブライトアイズやアーケイドファイアといった尖ったインディ系アーティストまで賞賛しているのが「へええ」という感じだ。 Bruce Springsteen 「俺はこの35年間、アメリカについて歌ってきた。俺はそのアメリカを取り戻したい。今がその時だ。だからオバマのために立ち上がるんだ!」 ボノ(U2) 「46年前にこの場所でキング牧師が語った夢が、今日実現

    アーティストのオバマに対する発言・まとめ - Repeat The Ending
  • 斎藤環『心理学化する社会』(文庫版) - Repeat The Ending

    心理学化する社会 (河出文庫) 作者: 斎藤環出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/01/26メディア: 文庫購入: 12人 クリック: 80回この商品を含むブログ (31件) を見るこの人のははじめて読んだ。学者の中では比較的メディアの露出が多かったり(爆笑問題の番組出たりとか)、結構出してたりすることから、勝手にハデなタイプの学者(それ自体は悪いことだと思ってません)だというステレオタイプを持っていたけど、文章を読んでみたら、いやいや非常に誠実なタイプなのであった。メディアの露出もひきこもり問題への対処という目的のもと戦略的に行っているらしい。さて、書は、かつて共著でを出したこともある(『網状言論F改』)東浩紀氏が『動物化するポストモダン』で語ったことを、精神分析の側から語ったアナザー・サイド・オブ・ポストモダンということが出来る。簡単にまとめると、思想・文学がリ

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    kei_ex 2009/02/13
  • 東浩紀×市川真人トークショー - Repeat The Ending

    11月15日、ブックファースト新宿店で行われた東浩紀さんと市川真人(前田塁)さんのトークショーに紛れこんできました。ところでこのイベント先着40人だったのですが、東浩紀さんの最近の勢いを考えるとキャパ40というのは小さすぎるんではないかと思ったのですがいかがでしょうか。 以前東さんや宮台さんの出るパネルディスカッションを観ようとロフトプラスワンに行ったら入り口に「SOLD OUT」って貼ってあってそのままトボトボ帰ったことのある(笑)自分としては、実は結構いるであろう、来たくても来れなかった人達にちょっと思いをはせてしまうのでありました。 以下はトークショー中にとったメモを元にまとめたものです(個人的に重要と思った所だけ拾っていて、ちゃんとした文字起こしのような厳密なものではないので注意されたし)。 トークショーといいつつ実質市川さんによる東さんへの公開インタビューみたいなことになっていた

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    kei_ex 2008/11/16
  • 谷口功一×宮台真司「郊外/格差/共同体」 - Repeat The Ending

    11月1日、首都大学東京で行われた社会学者の宮台真司さんと法哲学者の谷口功一さんのトークイベントに行ってきました。以下はその時に聴きながらとった「メモ」です。 ※ちゃんとしたテープ起こしではなく、情報の取捨選択には僕の価値判断が関わってるので、そういうものとしてお読みください。<谷口功一> 郊外、ニュータウンの問題について説明。 「自分にとっての郊外、ニュータウン」について。 リバタリアン、新自由主義などについての説明。 速水健朗「ケータイ小説的。」 「問題意識は面白い」 ドラゴンアッシュのグレイトフルデイズのリリック(俺は東京生まれHIPHOP育ち〜)を引用し、「昔は若者はロック=反体制だったが、今では共同体的、トライブ的になっていて違和感がある」<宮台真司> ちょうど昨日「ケータイ小説的。」を読んだところだった。 説明が十分じゃない。ケータイ小説的なものとは関係性より事件性(レイプ・妊

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