分裂期のガン細胞を取り出し染色体分析を行うと、普通の染色体の他に、小さなミニ染色体をしばしば観察することができる。その頻度はガンによってまちまちだが、小児の神経芽腫では高頻度に見られることから、ガンの増殖促進に関わる遺伝子を増幅する一つのメカニズムだと考えられてきた。 今日紹介するカリフォルニア大学サンディエゴ校からの論文は、ガンのゲノム解析が進む今、新しい視点でガンにおける微小染色体の意義について徹底的に解析することを目指した研究でNatureオンライン版に掲載された。タイトルは「Extrachromosomal oncogene amplification drives tumor evolution and genetic heterogeneity(染色体外のガン遺伝子増幅により腫瘍が進化し、遺伝的多様性が拡大する)」だ。 ガンで染色体が不安定になることは周知の事実で、その結果、微