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ブックマーク / www.ringolab.com (136)

  • 人間の建設 - 情報考学 Passion For The Future

    ・人間の建設 小林秀雄と日数学史上最大の数学者といわれる岡潔の対談集。 薄いだが内容はものすごく濃い。 対話から、どれだけ深くを読み取れるか、読者の力が試される高度に知的な雑談。 最初にあいさつの意味もあるのだろうが、岡は小林の批評文に対して、詩人の作品のようだとこんなふうに褒めている。 「岡 勘というから、どうでもよいと思うのです。勘は知力ですからね。それが働かないと、一切がはじまらぬ。それを表現なさるために苦労されるのでしょう。勘でさぐりあてたものを主観のなかで書いていくうちに、内容が流れる。それだけが文章であるはずなんです。」 名文の質をさらっとこの数学者は言い当てている気がする。さらに理系数学者らしからぬ発言を連発して、小林の文系の領域の知との化学反応を仕掛けていく。 「岡 数学の体系に矛盾がないというためには、まず知的に矛盾がないということを証明し、しかしそれだけでは足りな

  • 孤独の科学---人はなぜ寂しくなるのか - 情報考学 Passion For The Future

    ・孤独の科学---人はなぜ寂しくなるのか 人間の社会的つながりと孤独感に関する、社会学、心理学、医学、脳科学、経済学などのアプローチによる多面的な研究。 「1985年、アメリカ人の代表的サンプルに「心を許せる親友は何人いますか」と尋ねたとき、いちばん多い答えは3人だった。2004年、再び同じ質問をしたとき、いちばん多い答え(全回答の25%)は、ゼロだった。21世紀のアメリカ人の4人に1人が、何でも包み隠さず話せる相手は一人もいないと答えたのだ。」 21世紀に増大する孤独感は、あらゆる不幸の源になるという事実を、多くの研究結果が示している。孤独感を感じている人は、病気になりやすい。集中力や判断力が損なわれる。老いが早まる。社会的な成功と遠ざかる。になりやすい。悪影響のリストは何十も続く。 他人から拒絶された時の脳の反応は、身体的な痛みを感じた時の脳の反応と部位を共有しており、脳にとって寂し

  • 千年樹 - 情報考学 Passion For The Future

    ・千年樹 このは今年のベスト10に確実に入るなあ。面白い。傑作。 関東地方の山地にある樹齢千年のくすのきの巨樹。 1000年の間に巨樹の下で繰り広げられた人間たちの短い生のドラマを8つの連作短編で語る。時代も立場もまったく異なる登場人物たち数十人がいる。山に逃げた武士、自殺を考える中学生、女をさらった山賊、ドライブ中の家族、愛人と待ち合わせた娼妓...。よくここまで多様な設定下の登場人物たちを描き分けられるものだなあと著者の筆力に感嘆する。 器用なだけでなくて、8つの話がからみ合って群像劇としての深みがでているのも素晴らしい。 8編とも現代の登場人物と過去の人物の生き様が呼応する形で話が進む。死を考えて巨樹の下を訪れる動機は、昔と今では背景は異なる。一方では戦に負けて死ぬものがあり、もう一方ではいじめに耐えかねて自殺しようとしているものがいる。いろいろな生き方があるが、ひたむきに生きる人

  • もう一度見たい!「科学」と「学習」 - 情報考学 Passion For The Future

    ・もう一度見たい!「科学」と「学習」 まだかな まだかな 学研のおばちゃん まだかな 昨年、惜しまれつつも休刊となった学研の「学習」(1946年創刊)と「科学」(1963年創刊)。最盛期の1979年には両誌合算で670万部という大部数を誇った。私も愛読していて、懐かしくてたまらず購入したメモリアルムック。 復刻ミニふろく「人体骨格モデル」と「5年の科学」の豆付き。 国立天文台天文情報センター長の渡部潤一氏がこんな文章を寄せている。 「小学校高学年になると、実験より机上の勉強で知識を得る入試対策がメインになります。それはそれで大事な側面ですが、今の教育の中に、手を動かして物を作る喜び、原理を知る喜びに繋がるカリキュラムがもっとほしいですね。それこそ、国が『科学』と『学習』に補助金を出して、年に1回でいいから子どもたち全員に配れたらいいなと思います。例え、99%が無駄になっても、1%でも面白

  • 完全教祖マニュアル - 情報考学 Passion For The Future

    ・完全教祖マニュアル ネタというレベルを超えて、結構当に使えちゃうかもしれない実践的内容...。 「みなさんは、人に尊敬されたい、人の上に立ちたい、人を率いたい、人を操りたい、そんなことを思ったことがありませんか?でも、自分には才能がない、学がない、資産がない、そんなのは一部のエリートだけの特権だ、等と理由を付けて夢を諦めていませんか?確かに、これらの夢を叶えることは非常に難しいことです。ですが、悲観することはありません。何も持たざるあなたにも、たった一つだけ夢を叶える方法が残されています。そう、それが教祖です!新興宗教の教祖になれば、あなたの夢は全て叶うのです!」 新興宗教の教祖になりたい人のためのマニュアルだ。 「インテリは組織運営の核として絶対に必要なものです。ですが、実際問題としては、組織の主たる層は一般人ですし、そして、一般人は哲学など毛ほどの興味もありません。」 既存宗教を

    keloinwell
    keloinwell 2010/04/29
    おもしろそう。
  • 日本人だけが知らない 日本人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ - 情報考学 Passion For The Future

    ・日人だけが知らない 日人のうわさ 笑える・あきれる・腹がたつ 世界を取材するライター石井光太氏が集めた日にまるわるうわさ話とその背景を解説する軽い読み物。海外の人たちの偏見や誤解がいっぱい。笑えるものも多いが、棘があって痛いものも多い。 たとえば、日人は入国手続きの書類の「SEX」の欄に数字を書くがそれは週に何回の意味だ、なんていう話し。英語ができない日人への皮肉のニュアンスも込められて、外国では実際に広まっているそうだ。 日の地下鉄は痴漢だらけだが、中国人や韓国人女性がひとりで乗るときは、バッグに国旗をつけると、痴漢にあわない、なぜなら日人男性は外国人には痴漢をしないからだ、などという日留学時の注意があって、実際、そうした自衛手段を取る女性も存在するようだ。 「日企業は中国でつくった一番いい製品を欧米に輸出する。二番目にいい製品を日へ逆輸入する。そして最悪の品を中国

  • 努力しない生き方 - 情報考学 Passion For The Future

    ・努力しない生き方 20年間無敗の雀鬼 桜井章一の語る人生哲学。努力と書いて「努めて力まない」ととく、そのココロは?。ポジティブシンキング、ロジカルシンキング、クリティカルシンキング全部試したけどダメ、肌に合わないよっていう人は、このでうまくいくかもしれない。 「このでは「努力する」「求める」「つくる」といった足し算へと向かうさまざまな発想や行為を俎上に載せている。そしてそれらがどれだけ無理で不自然なものを孕んでいるか、それゆえ破綻しやすく、かつ人生に対していかに破滅的なものになりうるかを述べたつもりである。」 確かにどんな分野でも達人の極意は、いかに力を入れないか、にある。 「つまり、麻雀にせよ、何にしろ、そこにあったのはいつも「努力」ではなく「工夫」だったと思う。「工夫」があれば何事も楽しくできるのだ。「努力」をしようとすればかならず余計な力が入る。練習して上達を続けるには力が入っ

  • 20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 - 情報考学 Passion For The Future

    ・20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義 著者のティナ・シーリグはシリコンバレーの中心に位置するスタンフォード大学で、学生に起業家精神を教えるアントレプレナー・センターのエグゼクティブ・ディレクター。「機が熟すことなどない」「早く何度も失敗せよ」「及第点でなく最高を目指せ」「ルールは破られるためにある」。集中講義を書籍化した書は、たとえ20歳でなくても、挑戦心を焚きつけられるメッセージがいっぱい見つかる。 スタンフォード大のようなエリート養成校で、こうした「異質なこと」をする能力を魅力的に教えるコースがあるということが、アメリカのイノベーション創出能力(アップルやグーグル)の源泉にあることは間違いない。 情熱とスキルと市場が重なり合うあなたにとってのスウィートスポットを探せ、という。それは趣味仕事の境がない世界。「ライフワークバランス」なんていう軟弱発想とは無

    keloinwell
    keloinwell 2010/03/21
    読みたいな。
  • 知性について 他四篇 - 情報考学 Passion For The Future

    ・知性について 他四篇 ショーペンハウエルによれば知性とは普遍的な事柄の認識能力である。知識欲が普遍へ向かうと学究心と呼ばれ、個別へ向かえば好奇心になる。個別への関心は動物でもあるが、普遍をとらえるのは人間だけである。だからその普遍度が哲学や芸術のように高ければ高いほど知的レベルが高い、とする。逆に知性が欲望を満たすことや実践的な物事の処理に奉仕するのは、低レベルな知性だという。 そして世の中を大多数の凡人と、一握りの天才にわける。 「大多数の人間は、その性上、飲と性交以外の何事にも真剣になれないという性質をもっている。この連中は、希有の崇高な資質の持ち主が、宗教や学問や芸術の形で世の中にもたらしてきたすべてのものを、たいていは自分の仮面として用いて、ただちに彼らの低級な目的のための道具として利用することになる。」 つまりショウペンハウエルに言わせれば"プロ"や"MBA"は知性のうちに

    keloinwell
    keloinwell 2010/03/05
    厭世哲学。
  • ん―日本語最後の謎に挑む - 情報考学 Passion For The Future

    ・ん―日語最後の謎に挑む 世界的に見ても「ん」ではじまる言葉はほとんどない。「ん」はちょっと特別な音。 「日語には上代、「ん(ン)という文字はなかった。上代の日人も、現代の日人と同じように考え事をしながら「んー」と唸っていたのかもしれないが、それを書くことはできなかった。書けないから、無理をしてでも書かなければならないときには「イ」とか「ニ」という現代のカナカナを記号として使っていた。でも「イ」を使うと「i」、「ニ」と書けば「ni」と発音することになってしまう。「i」や「ni」と間違って読まれないための記号は何かないか......という試行錯誤の結果、「ん(ン)」という文字が生まれてきた。」 古事記をはじめ上代の文書には「ん」と読む仮名が一度も出てこないものらしい。 ありなむ→ありなん 知りなむ→知んなむ のように、口語として使われたのが最初であるそうだ。次第に大衆に普及して「ん」

    keloinwell
    keloinwell 2010/02/23
    んだな。謎だな。
  • 13日間で「名文」を書けるようになる方法 - 情報考学 Passion For The Future

    ・13日間で「名文」を書けるようになる方法 高橋源一郎の明治大学大学院における「言語表現法」講義の書籍化。全13回の授業が学生とのやりとりを含めて収録されている。とてつもない名講義。言葉で語らず、インタラクションで考えさせるという高度な教授法を、毎回繰り出す。 初日、スーザン・ソンタグの「若い読者へのアドバイス」という名文が配られる。死期が近いことを悟った思想家が若者に向けて「心の傾注」という言葉をキーワードに真摯な忠告を短い手紙のように書きつづったものだが、「読み終わったら、その紙から目を上げ、窓の外を眺めてみてください。なんて美しい風景でしょう。このキャンパスのいいところは、こういうものが見られることです。すぐ横に、そんなに美しいものがあるのに、活字ばかり追いかけてはいけません。読んだものは忘れて、見ることに、傾注してください。」と先生。 オバマ大統領の演説、斉藤茂吉のラブレター、しょ

    keloinwell
    keloinwell 2010/02/01
    読んでみたいなぁ。
  • 2009年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 - 情報考学 Passion For The Future

    2009年にこのブログで紹介した小説・創作作品の中から、これは当によかったと思うランキングで1ダース並べてみました。私が2009年中に読んだというのが基準なので、昔に発表された作品もかなり含まれています。 小説に順位をつけるのは難しいのですが、1位は万人におすすめできるということで選びました。URLをクリックすると書評エントリへ、表紙画像をクリックするとアマゾンへ飛びます。 ・2008年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/01/2008-3.html ・2007年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/01/2007-5.html ・2006年度 年間オススメ書籍ランキング フィクション部門 http:

  • 日本辺境論 - 情報考学 Passion For The Future

    ・日辺境論 非常に面白い。わかりやすい。いいだ。 日人の島国根性の質を「辺境人」としてずばり言い当てる。 「ここではないどこか、外部のどこかに、世界の中心たる「絶対的価値体」がある。それにどうすれば近づけるか、どうすれば遠のくか、もっぱらその距離の意識に基づいて思考と行動が決定されている。そのような人間のことを私は書ではこれ以後「辺境人」と呼ぼうと思います。」 かつては中国であり、欧米列強であり、今はアメリカあたりが中心になっている。 「私たちに世界標準の制定力がないのは、私たちが発信するメッセージに意味や有用性が不足しているからではありません。「保証人」を外部の上位者につい求めてしまうからです。外部に、「正しさ」を包括的に保証する誰かがいるというのは「弟子」の発想であり、「辺境人」の発想です。」 このが面白いのは、辺境人だからダメだ、というのではなくて、辺境人の強さもあるとい

  • グノーシス主義の思想―"父"というフィクション - 情報考学 Passion For The Future

    ・グノーシス主義の思想―"父"というフィクション 若手研究者による意欲的なグノーシス主義研究書。 2世紀頃のキリスト教異端の一派であるグノーシス主義という思想は、反権威、反伝統の知のかたちとして、しばしば20世紀の思想家によって語られた。おかげで現代のSFやアニメにも広く影響を与えている。最近では、ファイナルファンタジー13は明らかにグノーシス主義の影響を受けている。"悪い創造主"が出てきたらまずグノーシスを疑えである。 グノーシス主義は二重構造が特徴だ。みんなが神様と崇めているのは偽物の劣った神(造物主)であり、当の至高神は天界の最上部にいる。人間は至高神の性質を受け継いでいるので、やがて叡智とともに神のもとへ帰昇することができると信じた。現体制は偽物で、物はきっとどこかにあるんだという反権威主義的な発想である。 グノーシスの神話は筋立ても含意もかなり難解であり、こうした研究書を通し

    keloinwell
    keloinwell 2010/01/17
    これ読みたい。
  • 2009年のはてなブックマーク数ランキング - 情報考学 Passion For The Future

    2009年に書いた記事に限定して、各記事のはてなブックマーク数を調べました。アテンションエコノミーのネット空間上で目を引くタイトルとは何かを、毎年、このランキングを見て考えています。 1位 なぜ年をとると時間の経つのが速くなるのか 記憶と時間の心理学 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/05/post-1000.html 2位 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/07/post-1028.html 3位 裸体とはじらいの文化史―文明化の過程の神話 http://www.ringolab.com/note/daiya/2009/09/post-1064.html 4位 借金の底なし沼で知ったお金の味 25歳フリーター、借金1億2千万円、利息24%からの生還

  • 2009年度 書籍売り上げランキング ベスト20 - 情報考学 Passion For The Future

    今年このブログの紹介記事を経由してAmazonで販売されたの売り上げ冊数ランキングです。1位はもちろんアレなのですがどうもありがとうございました。 ・2008年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2008/12/200820.html ・2007年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/12/200720.html ・2006年度 書籍売り上げ ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2007/01/200620.html ・2005年度 書籍売り上げランキング ベスト20 http://www.ringolab.com/note/daiya/2005/12/200520.html ・2005年

  • ロスト・トレイン - 情報考学 Passion For The Future

    ・ロスト・トレイン 大変面白かった。 「日のどこかにまだ誰にも知られていない、まぼろしの廃線跡がある。それを見つけて始発駅から終着駅までたどれば、ある奇跡が起こる。」。テツ(鉄道ファン)の間に広まる噂とそこから始まるスタンドバイミーのような冒険のストーリー。2008年『天使の歩廊―ある建築家をめぐる物語』で第20回日ファンタジーノベル大賞を受賞した中村 弦の受賞後第一作。 「わたしはどきどき思うのですが、人の一生というのは鉄道に乗るのと似ています。どこへでも自由い行けるかのように見えて、じつはそれほど自由があるわけではない。すすむべき線路は一ではないけれど、あらかじめ親や学校や社会によって幾通りかのレールが敷かれていて、ほとんどの場合そのきめられたなかから選ぶしかない。とこどころ乗り換え駅があるけれど、よくよく注意しないと番線や列車をまちがえて、目指しているのとは全くちがう場所へ連れ

  • 学問 - 情報考学 Passion For The Future

    ・学問 当に素晴らしい。ストレートに心にじーんときてしまう感動小説である。山田詠美の大傑作。とりあえず今年これだけは読んでおけ的な、絶対いちおし作品。 東京から引っ越してきた仁美、包容力のあるリーダー格の心太、べ物に目がない無量、眠ることが好きな千穂。仲良し少年少女4人組が海辺の平和な町で過ごした小学校から高校までの日々が語られる。 テーマは性と生だが、質はまっすぐな青春小説だ。 やがて芽生える性の衝動。 「まったくセックスというやつは、どれほど多くの枝葉を携えているものなのでしょう。幸せに喜ばせ合う夜もあれば、怒りを噴出させる昼もある。神聖な儀式にも、しこしこの鍛錬にも配属される。まったく、油断も隙もありゃしない」 欲望にときには翻弄されながらも、しっかり自分を持って人を愛することを覚えていく少年少女の成長がまぶしい。欲望の奴隷ではなく、欲望の愛弟子になる。だからそれは学問。 「元

  • 「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム - 情報考学 Passion For The Future

    ・「戦争」の心理学 人間における戦闘のメカニズム 戦闘という極限状態における人間の心理と生理メカニズムを「戦争における「人殺し」の心理学」の著者で元米国陸軍士官学校教授のデーヴ・グロスマンが語る「戦士学」。前作に匹敵する中身の濃さとボリューム。 現実の戦闘はドラマのようにかっこよくはいかないものらしい。たとえば第二次世界大戦時の米兵の四分の一が尿失禁の経験があると認め、八分の一は大失禁したと認めている。激戦を経験した兵士の半分が尿を漏らし、四分の一が大便を漏らしたと認めている。9.11テロにおいても生存者の大半が大小失禁をしていた。 戦闘は人間の心身を追い詰める。兵士の心拍数が175回/分を超える「黒の状態」になると、肉体的精神的に緊急時の身体反応モードに移行する。身体が自動操縦モードになって反射的に撃ってしまうことがある。トンネル視野になって視野が狭くなり、選択的聴覚抑制が起きて銃はポン

  • 雌と雄のある世界 - 情報考学 Passion For The Future

    ・雌と雄のある世界 分子細胞生物学、分子遺伝学、発生生物学の最先端で、生物の生殖について解明されてきたことが、一般向けに整理されている。 「雌と雄のある生物では二種類の細胞、体細胞と生殖細胞がある。体細胞はひたすら同じ遺伝情報を分かち合いながら分裂増殖し、生殖細胞は遺伝情報の多様性をつくり出す。」という基原則がある。 実は雌だけでもどうにかなるそうで、クローン技術を使えば雄がいなくても子供をつくることができてしまう。細胞が増えるというレベルではふたつの性は不要なのだ。しかも男性を決定するY染色体は、かなりの速さで衰えていて、これから10万年から20万年後には消えてしまう可能性があるらしい。 プラナリアという面白い生き物の特異な生殖が紹介されている。この生物は温度によって有性生殖と無性生殖を切り替える。餌によっても切り替わる。栄養条件がよいときは無性生殖でどんどん増え、栄養状態が悪くなると

    keloinwell
    keloinwell 2009/11/28
    プラナリアが有性生殖と無性生殖を切り替えていることを初めて知った。この本、興味あり。