人間には12の感覚がある 動物たちに学ぶセンス・オブ・ワンダー (文春e-book) 作者:ジャッキー・ヒギンズ文藝春秋Amazonこの『人間には12の感覚がある』は、人間と動物の各種感覚──嗅覚とか視覚とか──について書かれた一冊だ。それって五感のこと? であれば十二もないんじゃない? と思うかも知れないが、現代の神経学者らによれば人間の感覚が五感に絞られるのは古い話で、今では三十三種類にものぼるという。感覚についての定義が明確になされているわけではないので専門家の間でも人間が持つ感覚の数について完全な一致はとれていないが、少なくとも五〜六感で終わり、ということはないわけだ。 本書の構成でおもしろいのは、人間の感覚をただ取り上げていくのではなく、常にそれとセットで人間以外の動物の特異な知覚について合わせて語られていくところにある。たとえば第一章では人間の色覚について触れているのだが、最初
