当コラムは主に発注者であるユーザー企業に対してベンダーへ「丸投げ」してはいかんぜよ、というのが大きなテーマである。しかし、実際にコンサルタントの仕事でさまざまな案件に関わっていると、「これは国レベルで標準化してむしろ『丸投げ』できるようにしたらどうか」と感じることがある。 その1つが秘密保持契約書である。ユーザー企業がSIベンダーやコンサルティング会社にシステムに関するさまざまな業務を依頼する際、秘密保持契約書の締結は必須である。この秘密保持契約書の締結がなかなかすんなりいかないのである。 一例を挙げよう。システム調達においてRFP(提案依頼書)を複数のベンダーに提示するに当たって、それぞれのベンダーと個別に秘密保持契約書を結ぶことになる。ところが、ユーザー側で用意した秘密保持契約書の案がすべてのベンダーにそのまま受け入れられることはほとんどない。4~5社と秘密保持契約書を結ぼうとすれば3