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ブックマーク / wedge.ismedia.jp (19)

  • 「忖度」か「炎上」か、言いたいことも言えない世の中は変えられるか

    福島第一原発事故から7年が過ぎ、放射線リスクをめぐる対立はかつてほどには目立たなくなっているが、対立がもたらした分断は、ローカルなコミュニティにもネット上にも残されている。このことは、「政治」が議会でのみ行われるのではなく、日常生活の細部でも常に起こっていることを再認識させる。 原発事故後の分断について「」を通じた分析を行ったのが、『原発事故と「」 市場・コミュニケーション・差別』の著者、社会学者の五十嵐泰正氏だ。原発事故後に千葉県柏市で消費者や生産者らの協働による社会運動を率いた経験ももつ五十嵐氏と、やはり社会学者で著書『社会運動と若者 日常と出来事を往還する政治』など運動参加者へのインタビュー調査を続けてきた富永京子氏が、若者のデモから“左派嫌い”が生まれる理由まで、幅広く語り合った。 人は「自分と似た人」の言うことしか聞かない? 富永:『原発事故と「」』を読んでまず感じたのは、

    「忖度」か「炎上」か、言いたいことも言えない世の中は変えられるか
    kenjiro_n
    kenjiro_n 2018/08/17
    WEDGEにこんな記事が載るのか。
  • 大学でも、株主総会でも流行る「ピー逃げ」

    「昔陸軍、今総評」という言葉があった。総評という言葉が生々しかった頃、大学のキャンパスでは「タテカン」「バリ封」という言葉が跋扈していた。今の大学生に聞いても意味がわからないだろうか。 その逆もある。 最近のキャンパスでは「ピー逃げ」という言葉はある。当初意味がわからなかった。有名国立大学の国際問題研究所長の口から出た時に、これだと思った。 今時の大学は、教室に学生証の磁気に反応する器具が壁に設置され、学生は出席したらそこに軽くタッチ、「ピー」という音が出て出席となる。かつての「代返」ではなくタッチ&ゴーをする学生も登場し、これを「ピー逃げ」というのだそうだ。 同様のシーンを立派な大人が行うのを見てしまった。有名菓子会社の株主総会が都内で行われた。既に駅から会場に向けて蟻の行列となっている。しかし、会場からも蟻の列ができていて、鉢合わせをしながら地下鉄に吸い込まれてゆくのだ。違いは、帰宅組

    大学でも、株主総会でも流行る「ピー逃げ」
  • 貴族だったトランプがアジテーターに転向した理由

    「ヒラリーは公用のEメールを勝手に削除した!」 6月2日、カリフォルニア州サンノゼ市のコンベンションセンターで、ドナルド・トランプがダミ声で怒鳴ると、聴衆は激しいブーイングで応えた。 「私が大統領になったら、あの女を刑務所にぶち込んでやる!」 トランプが拳を振り上げると、聴衆は「うおおおお」と雄叫びを上げて足を踏み鳴らした。 聴衆の9割以上は白人。平日の夕方だから仕事帰りのはずだが、ネクタイやスーツを着た人は少ない。ほとんどがジーパン。ワークブーツの人も多い。 彼らは「サイレント・マジョリティー」と書かれたサインボードを掲げ、上気したピンク色の顔で「移民を追い出せ!」と熱狂的に叫んでいる。まさにピッチフォーク・モブ。よそ者をリンチするため、燃え盛る松明(たいまつ)やピッチフォーク(干し草を持ち上げるための農具)を手に村を練り歩く怒れる群衆だ。 時々聴衆に交じった反トランプ派の人が「レイシス

    貴族だったトランプがアジテーターに転向した理由
  • 2016年6月号 自動車産業が壊れる日 Wedge(ウェッジ)

    kenjiro_n
    kenjiro_n 2016/05/23
    「水素水にのめり込む伊藤園、パナソニックの「品格」 」という記事あり。
  • 【最終回】資本主義は平和をもたらす

    主義はその自己増殖的な欲望によって社会を破壊し、その破壊を避けるために戦争にまで突き進みかねないものだと批判されている。レーニンの『帝国主義論』では、自由主義競争の資主義の中から独占が生まれ、この独占が金融資にも波及して、独占金融資が生まれる。この独占金融資が世界の隅々まで支配することになり、分割する市場がなくなった時点で、再分割をめぐる闘争が起きる。よって、再分割をめぐる帝国主義戦争は不可避である。世界大戦はこうして起こるというのである。 暴力による殺人は減少してきた しかし、戦争なら大昔からあった。資主義以前の戦争とはどんなものだったのだろうか。コーランには、「戦利品は神と使徒のもの」「わし(神)はおまえたちとともにある。わしは不信の徒の心に恐怖を投げ込んでやる。おまえたちは彼らの首を打て。また、彼らの指先まで、一打ちのめしてやれ」「天使たちが不信の徒を呼び寄せて、

    【最終回】資本主義は平和をもたらす
  • ユーザーに「じゃぶじゃぶ課金」させろ!? 企業の致命的なミスがネットに晒される!

    テレビのニュースには拾われないかもしれないけれど、ネットの一部で盛り上がったあの話題。知りたい人へお届けします。 「じゃぶじゃぶ課金」!? メーカーの欲深い音がダダ漏れ とあるブラウザゲームの「遊び方説明」がネット上で話題になった。 ブラウザゲームとはPCのブラウザ上でプレイするゲームのこと。PCさえ持っていればゲーム機もソフトも購入する必要がなく、会員登録さえすればタダでプレイできる。ただし、基無料だが、一部アイテムやキャラクターが有料の場合が多い。有名な例を出すと、ランダムでレアアイテムが獲得できるとうたい抽選権を得るために課金させる「コンプガチャ(コンプリートガチャ)」などだ。 このように無料ゲームを配信しているメーカーが稼ぐためにはいかにユーザーに課金させるかが勝負となることも。とはいえこれはメーカー側の表に出したくない「音」の部分だ。 しかし、1月27日にリリースされたDM

    ユーザーに「じゃぶじゃぶ課金」させろ!? 企業の致命的なミスがネットに晒される!
    kenjiro_n
    kenjiro_n 2015/02/09
    WEGDEってこういうワイドショー的な事件も記事にするのか。
  • ペヤングの販売休止でなぜか「被害者」が炎上 「ネット告発」をする際に注意すべきことは?

    テレビのニュースには拾われないかもしれないけれど、ネットの一部で盛り上がったあの話題。知りたい人へお届けします。 人気商品「ペヤング」にまさか! ペヤング暴騰にまで発展した混入騒動 カップ焼きそばの「ペヤング」に虫が混入していたとして、製造元のまるか品は当面の間、販売中止することを発表した。 混入が発覚したきっかけは、商品購入者がツイッターに「ペヤングからゴキブリ出てきた」というコメントとともにアップしたフライ麺の中に大きな虫が入り込んでいる写真。このツイートは瞬く間に拡散され、「ペヤングもうえねえ」「ペヤング終わったな」などの声が多数あがった。人気商品だっただけに人々に与えたショックも大きかったようだ。 まるか品が混入経路を調査したところ、工場での製造工程で混入した可能性が高いとの結果になり、ペヤング全商品の生産を自粛。当面は販売中止せざるをえなくなった。ロングセラー商品だったこと

    ペヤングの販売休止でなぜか「被害者」が炎上 「ネット告発」をする際に注意すべきことは?
  • パクスアメリカーナから競争と不安定な勢力均衡の時代へ?

  • 「隣の家の蜂の巣は誰が駆除すべきか」 千葉市長と市民が議論した受益と負担の関係性

    隣の家に蜂の巣があるので駆除したい。市は補助してくれるのか――市民から寄せられたそのようなツイートに「住民個々の課題について一つひとつ税金で補助をすることは困難であることをご理解下さい」と答えた市長がいる。首都圏に5市ある政令指定都市のひとつ、約96万人の人口を抱える千葉市の熊谷俊人市長(36)だ。 東京都心にも、成田空港、羽田空港という二つの国際空港にもアクセスしやすいという好条件に恵まれた千葉市だが、前市長の贈収賄事件による退陣を受けての市長選で、熊谷氏が当選した2009年時点での財政指標は政令市ワースト1位。そのままのペースで市債残高を積み上げていけば3年後には早期健全化団体に転落する状況だった。「蜂の巣論争」に代表される、熊谷市長がツイッターなどを活用し市民と行った議論の数々は、「誰が自治体を経営するのか」という地方自治の根をめぐる対話でもあった。 2013年の市長選で再選された

    「隣の家の蜂の巣は誰が駆除すべきか」 千葉市長と市民が議論した受益と負担の関係性
  • 感情が操作される情報社会

    前回は世界中をつなぐ海底ケーブルの実状から、ケーブルをめぐって海底で行われている情報戦争について論じた(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4412)。我々の目には見えない海底奥深くでは、これまた我々の目には見えない情報が渦を巻いているが、今後ますます情報を巡る争いは水面下で増加していくだろう。 ところで、昨今重要視されるもののひとつに人間の「感情」がある。喜怒哀楽等の感情は、それ自体がひとつの情報であり、人の感情を情報処理と同様の方法で対処可能にすることが、様々な意味で利益になることがわかっているからだ。感情を情報として扱うことは可能なのか。そもそも感情の情報処理とは何か。今回は感情をめぐる情報戦について考察したい。 フェイスブックの感情操作実験に大批判 2012年、フェイスブックは英語を主要言語とする689003人のユーザーを対象にした実験を行った。ま

    感情が操作される情報社会
  • 「ベビーカー論争」に見る「いい記事」ほど読まれないジレンマ

    テレビのニュースには拾われないかもしれないけれど、ネットの一部で盛り上がったあの話題。知りたい人へお届けします。 日男性がベビーカーを手助けしない理由とは? 駅構内の階段などで、子連れの母親が重そうにベビーカーを運ぶ姿を見たことがある人も多いだろう。そんなとき、あなたは母親に手を貸しますか? それとも見過ごしますか? ネット上で「ベビーカー問題」は炎上しがちなトピックだが、今回炎上してしまったのはビジネス系ウェブマガジン「PRESIDENT Online」が10月6日に公開した、「日男子は、なぜベビーカー女子を助けないのか」というタイトルの記事。疑問についての回答を男性ライターと女性ライターがそれぞれ述べるという趣旨のコーナーだった。 このコーナーの女性ライターで、女性のライフスタイルやワーキングマザーの事情に詳しい佐藤留美さんは、「日人男性がベビーカーを手助けしない理由は2つある」

    「ベビーカー論争」に見る「いい記事」ほど読まれないジレンマ
  • 交通網の発達で人もお金も地方から大都市へ

    人口減少の進行と地方経済の衰退を受けて、第二次安倍改造内閣が重要課題として掲げている「地方創生」。「官僚や有識者を地方に派遣し、地域の声を聞く」「補助金バラマキにはしない」などと政権内部からは勇ましい声が聞こえてくるが、具体像はまだ見えていない。 一方で、「創生」される側である地方に目を移すと、B級グルメやゆるキャラのブームが全国津々浦々まで浸透した感もあるものの、それによって当に地域の活性化は果たされたのか、疑問も多い。 まちをひとつの「会社」に見立てて経営を立て直す事業に携わる木下斉氏と、経済学の立場から都市と地方のあり方を模索する飯田泰之氏の対話は、戦後日と地方の関係を象徴する「新幹線」を問い直すことから始まった。 新幹線で地方は復活するのか? 木下:北陸新幹線が来年の春に開通します。地方には相変わらず新幹線待望論が根強いのですが、それが果たして地域活性化につながるのかというと、

    交通網の発達で人もお金も地方から大都市へ
  • ウナギもマグロも消えていく 動かぬ水産庁尻目に火が付くか“消費者運動”

    2013年は日の水産資源減少が白日の下に晒された年であった。シラスウナギ(ウナギ稚魚)は銀価格を超える1キロ約300万円で取り引きされ、12月には中西部太平洋まぐろ類委員会が14年からのクロマグロ未成魚の漁獲枠削減を決めた。危機的状況にある魚は少なくない。 「日は乱獲漁業を放置し、魚を減らしてきました。水産庁の仲間うちでは事態の深刻さを認識していましたが、発信してきませんでした」 自責の念に駆られている元水産庁職員が語ってくれた。「水産庁にも現状を憂える人は多いですが、業界団体、族議員が睨みを利かせており、改革は簡単ではありません。改革には外圧が必要で、消費者の声、つまり世論が最も有効な外圧です」 消費者が乱獲魚を購入しなければ、乱獲は自ずと減る。消費者の関心が高まれば、票になると踏んだ政治家が指揮をとって政治主導の改革へ繋がる。水産資源を守るためには「消費者意識の改革」がカギとなる。

    ウナギもマグロも消えていく 動かぬ水産庁尻目に火が付くか“消費者運動”
  • コンビニ前にたむろする中学生を、誰が注意するべき? 地域の子どもたちに目配りする「社会的親」

    「最近目に付くのは、『私的親』なんですよね。ですから秋津コミュニティの大人たちのような『社会的親』が必要なんですよ!」 先日こども環境学会の学会誌に載せるために対談した杉厚夫さん(関西大学教授)がいいました。 子どもの遊び環境などの研究者である杉さんは、「私的親」と「社会的親」のことをご著書『「かくれんぼ」ができない子どもたち』(ミネルヴァ書房)に書いています。 「私的親」は、「自分の子どものことしか考えない親」のこと。対する「社会的親」とは、「自分に子どもがいてもいなくても地域の子どもたちのことを気にかけて目配りする大人」のこと。 「そうそう、私も子どもを介してつながる大人の縁を『子縁』と名づけて使っていますが、まさに杉さんの『社会的親』と同じだなぁとごを読んで感じていたのです」と私は杉さんに返しました。 で、対談は、とても盛り上がりました。 てなことで、今回はそんなこと(「社

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  • 黒船音楽配信サービス・Spotify上陸へ 音楽産業の鎖国解くか

    定額制音楽ストリーミングサービス「Spotify(スポティファイ)」が年内には日でサービスを開始することが弊誌の取材で明らかになった。縮小続く音楽業界では待望論もあるが、行く手には高い「壁」が待ち受ける。 「年内、早ければ10月にはあの“Spotify(スポティファイ)”が日でサービスを開始します。衰退が止まらない日音楽業界にとって、今年は非常に重要な年になります」(関係者) 海賊版をも駆逐するSpotify 2008年にスウェーデンで誕生したSpotifyは、音楽のストリーミング配信を行う企業で、欧米を中心に爆発的な人気を誇る。 ユーザーは月額9.99ドル(アメリカの場合。日円で約1000円)支払うことにより、クラウド(インターネット)上に保存してある2000万以上の曲をパソコンやタブレット、スマートフォン(スマホ)などで自由に聴くことができる。 広告が出るなど、様々な制約があ

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  • 2013年9月号 日本経済の最大リスク要因はエネルギー 今こそ原子力推進に舵を切れ Wedge(ウェッジ)

    言いにくいことでもはっきり言いたい。それもメディアの一つの使命だと考えるからだ。 参院選で、野党は時期に違いはあれど「原発をなくす」方向で一致した。自民党も「安全と判断された原発は再稼動」という慎重な姿勢を崩さなかった。 国民はアベノミクスを評価した。力強い日経済を望んだ。政局は消費税を3%上げるかどうかに注目が集まる。税上げが経済を冷やすことを心配する向きがあるからだ。しかし、税収はいずれ国内を循環する。なぜ消費税1~2%に匹敵する燃料費4兆円が資源国に垂れ流されていることを問題視しないのか。この国の資源のなさ、産業立国というよって立つ基盤を直視すれば、国家として原発を推進するという立ち位置に戻る必要があるのではないか。 もちろん、技術的にはコントロール可能な原子力で福島第一原発事故を起こしてしまったことは真摯に反省しなければならない。物の安全文化を創っていく必要がある。しかし、安全

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  • ウナギの次はマグロが消える

    江戸時代中期に活躍した蘭学者・平賀源内。知り合いのウナギ屋を繁盛させるため「土用丑の日」のキャッチコピーを考案して以降、夏の風物詩になったとされるウナギ。一説によると世界で消費されるウナギの7割を日人が消費すると言われており、日人の「ウナギ愛」は相当なものだ。だがその一方的な愛は乱獲・乱へと繋がり、事態は深刻なものとなっている。 1キロ250万円超 銀より高いウナギ稚魚 1960年代には200トンを超えていたシラスウナギ(ウナギの稚魚)の国内漁獲量だが、今年の養殖用稚魚は輸入物も含めて約12トン(水産庁発表)へと激減した。同じくシラスウナギの不漁が騒がれた昨年より25%下回り、養殖業者のシラスウナギ仕入れ値は1キロあたり250万円を超す。銀価格以上金価格未満といった水準である。 少し遅い感もあるが、今年2月に環境省はニホンウナギを絶滅危惧IB類EN(近い将来における野生での絶滅の危険

    ウナギの次はマグロが消える
  • 愚痴を言いながら人生を送りたくない

    7月初旬、静岡県のとある児童養護施設。ボクシンググローブをはめた子どもたちが、大人の構えるミットに打ち込んでいた。喜々として興じる姿が目立つなかに、たまった何かを絞り出すかのように、笑顔一つ見せずにパンチを連打する男の子の姿があった。「どうした! お前の怒りは、そんなもんじゃないだろう!」。そう発破をかけられ、歯をいしばって拳を繰り出す彼の眼は、潤んでいるようだった。 川でザリガニを捕っては 火にあぶって飢えをしのいだ 坂博之(さかもと・ひろゆき)           元東洋太平洋ライト級チャンピオン。SRSボクシングジム会長。1970年生まれ。91年にプロデビューし、日、次いで東洋太平洋ライト級チャンピオン。世界タイトル戦は4度挑んだが、いずれも惜敗。47戦39勝(29KO)の戦績を残して2007年に引退。まもなく児童養護施設を回る活動を開始し、今年8月にSRSボクシングジム(03

    愚痴を言いながら人生を送りたくない
    kenjiro_n
    kenjiro_n 2010/08/24
    見上げた話である。俺と大差ない歳なのにえらい違いだ。
  • 借用書なしで金を貸す 西成のねえちゃんの「人を信じる力」

    大阪市西成区釜ヶ崎(現在の呼称は「あいりん」)。日雇い労働者たちが、簡易宿泊所に寝泊まりしたり野宿したりしながら、わずかな仕事の口を求めて集まる街。路上で寝ている人、車座になって朝から酒を飲んでいる人─という光景は、今も昔も変わらない。近年は行政やNPOが労働者たちの相談に乗るべく活動しているが、30年前、この街でそんなことをする人は数えるほどだった。 入佐明美(いりさ・あけみ) 1955年生まれ。看護専門学校卒業後、病院勤務を経て、80年より釜ヶ崎でケースワーカーを務める。著書に『地下足袋の詩』(東方出版)。 写真:田渕睦深 入佐明美は、1980年に看護師として勤めた病院を辞めて釜ヶ崎に入った。24歳の女性がケースワーカーの草分けとなり、800メートル四方の街にいる2万~3万人の労働者たちに、毎日声をかけて回った。入佐は今日も、自らの貯金と時折の講演謝礼と個人からの寄付を原資にして、事務

    借用書なしで金を貸す 西成のねえちゃんの「人を信じる力」
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