【北京=西見由章】日本のアニメ映画「君の名は。」が巨大な映画市場を抱える中国でも快進撃を続けている。海外作品の上映本数が制限されている中国では、検閲や改編で公開まで長期間を要するのが一般的だ。同作品が早期公開に至った背景には、韓流映画を排除する「禁韓令」など中国側の政治的な思惑も見え隠れする。 公開後初の週末となった3日午後、北京市中心部のシネコンでは若者を中心に7割前後の席が埋まった。20代男性は「映像も美しかったが、なにより脚本が素晴らしい」と完成度の高さを絶賛。「もう一度、一人でじっくり見たい」(20代女性)とリピーターの多さを予想させる声もあった。 中国の映画専門サイト「猫目電影」によると公開6日目となる7日現在の興行収入は3億5000万元(約58億元)を超えた。ユーザーによる平均評価も10点満点で9・4と公開中の作品ではトップで、当面勢いは衰えそうにない。 同作品のスムーズな公開