『月刊日本』編集部は、2016年8月8日の天皇陛下のお言葉以来、「日本にとって天皇とは何か」というテーマで、様々な識者にインタビューを重ねてきた。そしてこの度、名だたる論客たちが天皇陛下のお言葉をうけ、「天皇とは何か」「日本とは何か」という根源的問題に迫ったこれらのインタビューが『月刊日本1月号増刊 私の天皇論』として一冊の本となった。 今回、この『私の天皇論』から、慶應義塾大学教授である片山杜秀氏へのインタビューを転載し、ここに紹介したいと思う。 ── 安倍政権の最大の支持基盤は右派と呼ばれる人たちです。一般に、右派は天皇を第一とするとされています。しかし、彼らの中には、安倍政権を支持する一方で、天皇の「おことば」に対して批判的な人もいます。片山さんは『近代天皇論』(集英社)で、この「ねじれ」の問題を取り上げています。 片山:確かに右派を「承詔必謹」を第一とする存在だと考えれば、ねじれが