生きることが苦しいと感じたとき、人は何に救いを求めるだろうか。ある人は宗教かもしれないし、ある人は哲学や文学かもしれない。ある人は心療内科に行くかもしれないし、またある人は占い師にすがるかもしれない……。 『鬱屈精神科医、占いにすがる』という本の著者である春日武彦さんは、タイトルにある通り精神科医で、普段は人に救いを与える側である。だけど還暦を迎え、生きることにどうしようもない倦怠を感じるようになり、自分のほうが救われたいと思うようになってしまう。そこから春日さんの、占い師ハシゴ生活が幕を開けるのだ。 春日さんは、「人の悩みを聞く」という点において、占い師は自分(精神科医)と同業者であると語る。実際、訪ねて行った占い師にも、自分の職業について打ち明けると、「あら、そういったお仕事の方が、わざわざご相談ですか」と少々珍奇な目で見られてしまう。同業者の世話になる、同業者の接客をする。確かに、ど