アメリカで1965年、黒人差別の撤廃を求めた公民権運動の活動家、マルコムXが暗殺された事件で、ニューヨークの裁判所は、捜査当局による証拠の一部の隠蔽が新たに分かったことなどから、半世紀余りを経て2人の黒人男性の有罪判決を取り消しました。 有罪判決が取り消されたのは、黒人男性のムハンマド・アジズさん(83)と、2009年に74歳で亡くなったハリル・イスラムさんの2人です。 マルコムXは、アメリカで黒人差別の撤廃を求める公民権運動の活動家として注目されていた1965年、ニューヨークで演説中に銃で暗殺されました。 この事件をめぐっては、3人が殺人罪で起訴され、このうち、アジズさんとイスラムさんは終身刑になったものの、一貫して無罪を主張し、罪を認めたもう1人も2人の関与を否定していました。 こうした中、検察当局は去年1月、再捜査に乗り出し、その結果、2人が暗殺に関与していないことを示す証拠が見つか