今月の給料は15万円だった。いろんなものがさっぴかれた残り。 そういえば、高校を卒業してすぐに働いた、焼き鳥屋さんでは16万だった。昼の3時から夜中の3時まで働いて、休みは月曜日だけ。 健康保険も税金も払っていなくて、保険証もなかった。ようするにお役所に届けも出されていなくて、あとから国民年金2年分の請求書が届いて20万円近く払った。 あれから、相変わらず職を転々として、いろんなところで働いた。深夜のコンビニ、骨組みだらけの建築現場、野菜のトラックでの田舎の道を200㌔、毎日往復したりしていた。いつもおなじ場所からおなじ場所へ。おなじ景色を見ながら、行っては戻り戻っては行ったりしていると時間が止まっているみたいだった。 その会社には、大手運送会社の部長をしていたという、江戸時代の落ち武者みたいな先輩がいて、なぜか僕は落ち武者に好かれてた。 落ち武者は、いつからか毎日僕の助手席に座るようにな