介護の現場で、腰痛が悩みの種となっています。介護職員でつくる労働組合の調査では2人に1人が痛みを抱えていると答えました。寝たきりの人を抱えたり、持ち上げたりすることは、体にとって大きな負担。悩みの解消につながる手がかりが、日本の伝統武術にあると聞きました。古武術を採り入れ、筋力だけに頼らない介護術を提唱している介護福祉士の岡田慎一郎さん(44)に、介護の取材をしている記者がアドバイスを受けました。土台となる体の動かし方を知る「準備編」、人を楽に移動させるコツを学ぶ「基礎編」、介護の現場で役立つ「実践編」の3回に分け、動画と記事で紹介します。 ◇ 「腰を痛める問題が起こるのは、私たちの普段の動き方が、すでに体を痛めやすい状態にあることです」。腰を痛めないようにするには、「全身の連動性」を高めることが最も大切と、岡田さんは力説します。腕や足の筋力だけに偏らず、全身を連動させて使うことで、楽に力