自民党が10月召集の臨時国会で検討する安倍晋三元首相への追悼演説の人選に苦慮している。8月の臨時国会では甘利明前幹事長で調整したが、与野党から異論が相次ぎ先送りされた。自民党内では立憲民主党の首相経験者に依頼する案も浮上する。だが党内で理解を得られない可能性も残り、着地点は見えない。 自民が調整した甘利氏起用案に、立民は首相経験者への演説は野党党首級が行ってきたとして「慣例から逸脱する」(西村智奈美代表代行)と反発。甘利氏が自民安倍派を「誰ひとり、全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない」とブログで論評し、党内でも不適格との声が漏れた。自民の高木毅国対委員長は「少し騒々しい状況だ」として、延期した。 登壇者の再考に自民幹部からは立民の野田佳彦元首相を推す声が上がる。野田氏は安倍氏の国葬にも出席の方向で、党派を超えて弔意を示すことにより与野党対決の雰囲気を和らげたいとの思惑も垣間見える。 ただ