フランス新聞事情:有料新聞は生き延びられるか? (市絛 三紗=ユナイテッドフューチャープレス) フランスの新聞業界に異変が起きている。一般新聞の発行部数が減少し続ける一方、無料新聞が破竹の勢いなのだ。経営不振にあえぐ有力夕刊紙ル・モンドは生き残りをかけて2月6日、ついに無料日刊紙「マタン・プリュス」(Matin Plus)を創刊した。これに危機感を抱いた新聞販売店組合は、ル・モンドの販売をボイコットするよう加盟店に呼びかけた。 無料タブロイド紙の台頭とル・モンドの対応 2002年2月、スウェーデンからフランスに無料紙「メトロ」(Metro)が上陸した。そしてすぐ翌月、スイス生まれの「ヴァンミニュッツ」(20minutes)が後に続いた。新聞各紙はとまどいながらも「無料ではよい情報は提供できない。広告収入だけでは長期間継続することは難しい。これまでの読者は既存の新聞の価値を知っている