テクノロジーが加速度的に発展するなか、社会にはどんな変化が訪れるのか。中国をはじめ世界で進む、個人のスコアリング化で私たちは自分たちの情報や権利をどう守ればいいのだろうか。果たしてテクノロジーは私たちを幸せにするのだろうか。 Googleや楽天などテクノロジー企業で経験を積んだIT評論家の尾原和啓さんと、慶應義塾大学大学院教授で憲法学が専門の山本龍彦さんが、テクノロジーと個人の幸せや権利について語り合った。 浜田敬子BIJ統括編集長(以下、浜田): デジタル化が加速度的にスピードを増し、国家間の「デジタル冷戦」が起きているとも言われるなか、個人が置き去りにされている感があります。そういう状況が進むと、デジタル空間での格差が進む、という指摘を山本さんは「バーチャル・スラム」という言葉で表していらっしゃいますね。 山本龍彦さん(以下、山本): 中国では、アリババ・グループ傘下の信用情報機関「芝