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ブックマーク / reki.hatenablog.com (45)

  • 歴ログは10周年ですがnoteに引っ越します - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    歴ログは「はてなブログ」での活動を停止します 「はてなブログ」にある「歴ログ-世界史専門ブログ」は2024年3月をもって完全に活動を停止し、noteにコンテンツを移行していきます。 また、noteでは新たな領域のコンテンツ発信を行なっていくつもりです。 歴ログの歩み 「歴ログ-世界史専門ブログ-」は、2014年8月、「はてなブログ」でスタートしました。 当時はネット上にテキストで気軽に読める世界史のサイトは数少なく、エンタメとアカデミックを混ぜたコンテンツには需要があるのではという狙いがありました。 マネタイズだけではなく、社会課題的な目的もあります。私は元バックパッカーなんですが、若い人が海外に関心を持たなくなって内向きになっているなと危機感を感じていました。もっと海外への関心を持ってもらいたいという思いが強くありました。それは今でも根強くあって、10年間発信を続けられた原動力の一つです

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  • ドーナツの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    世界中の人を虜にする甘いドーナツの誘惑 ドーナツの消費量は世界で増加傾向にあります。 世界のドーナツ市場は2021年で157億8000万ドル(2兆3354億円)に達し、2028年にかけて年間3.4%で成長すると見込まれています。 日では、かつてはミスタードーナツがどこでもありましたが店舗数が減り、その代わりにコンビニやスーパーで気軽に買えるようになりました。 今回はドーナツの歴史を紐解いていきます。 1. アメリカ人とドーナツ ドーナツの場・家はアメリカです。 2020年のアメリカのドーナツ消費者数は2億1002万人。国民の約64%がドーナツをっていることになります。また、2022年のアメリカのドーナツ市場の規模は75億ドル(1兆1100万円)だそうで、冒頭の数字に照らし合わせると、世界の市場規模の約半分がアメリカにある計算です。 アメリカ人の3分の1以上(37%)が毎月少なくとも

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  • 2023年読んで良かった「ベストブック」10冊 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    今年読んだのトップ10を選びます 2023年度ももうすぐ終わりですということで、毎年やっていますが、今年度に私が読んだの中で面白かった10冊というのを選んでみます。 今年読んだなので、2023年以前に発売されたも含まれています。あらかじめご了承くださいませ。 また面白かった私のYouTubeチャンネルで紹介している書籍も多く、よろしければそちらも合わせてご覧いただけるとうれしいです。 1. 『越境の中国史』 菊池秀明 講談社選書メチエ リンク こちらは2022年12月初版のです。 黄河流域、長江下流を中心に語られがちな中国歴史ですが、特に近代以降、例えば太平天国の乱やアヘン戦争のように、華南の動向から歴史が動くことがありました。書は特に近現代の華南の歴史から現代中国を読み解くです。 歴史的に北部中国政治・軍事の中心で、南部中国は経済・文化の中心でした。一方で特に福建省や広

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  • 「敵前逃亡」の罪で処刑された兵たち - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    軍紀違反で死刑になった20世紀の人物 昔から敵前逃亡は軍事の世界では重い罪でした。 最前線で戦う兵士の後方には抜刀した指揮官が控えていて、前線から逃げてきた兵士を「逃げるな!腰抜け!」と罵りぶった切った、などという話は枚挙に暇がありません。 逃亡した兵士は重い罪に問われ、捕まると死刑となることもあったのですが、この慣習は20世紀まで普通にありました。第一次世界大戦では、例えばイタリア軍では750名が処刑されています。イギリス軍では306名が軍紀違反で処刑されました。 第二次世界大戦のアメリカやカナダでも、敵前逃亡の罪で死刑になった人がいます。 1. ジョアン・デ・アルメイダ (ポルトガル)1894~1917 Photo by Ivan Pacheka ドイツ軍に逃亡しようとして捕まり射殺される ジョアン・デ・アルメイダは北部ポルト出身の23歳の兵士で、軍に召集されて1917年3月にフランド

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  • 「真のイスラム国家」を巡る議論の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    イスラム法による統治に対する解釈を巡る論争 ごく普通の日人が持つ「イスラム」や「イスラム教」についてのイメージは 戒律とか教えが厳しそう なんか良く分かんないけど、いっつも戦争やってる くらいの極めて曖昧なものではなかろうかと思います。 ただどっちも半分は合っていて、イスラムの歴史は外敵との戦いは勿論、コーランの教えの解釈を巡って同じイスラム教徒同士で戦い続けた歴史でもあります。 日では大規模な宗教戦争や国を二分するような論争が起こったことがないため、なぜ解釈の違いだけで殺し合うのかイマイチ想像ができないのですが、当のイスラム教徒にとっては当に生きるか死ぬかの大問題だったりします。 ということで、今回は「正しいイスラム国家」とは何かを巡る争いの歴史です。 1. ムハンマドの社会改革 神の意志に従う生き方=イスラム的生き方 イスラム教の聖典「コーラン」では、人間は神に絶対的な服従を要求

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  • 『宗教の起源』書評 - 宗教はすごく「気持ちいい」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    なぜ宗教ははじまり、なぜ人間に必要とされたのか 『宗教の起源――私たちにはなぜ〈神〉が必要だったのか』ロビン・ダンバー著(白揚社)を読みました。 タイトル通り、なぜ宗教は発生し、なぜ人間は宗教を必要とし、宗教の質とは何なのかを明らかにしていくです。 かなり面白かったので、今回ブログでも紹介したいと思います。 1. 人類学や心理学、脳科学から宗教を分析する 書の筆者はロビン・ダンバー氏はイギリスの進化心理学者、人類学者で、もともと霊長類行動の研究者だった方です。 猿やチンパンジーの研究をする延長線上で、同じ霊長類ということで人間の進化の研究に携わるようになりました。 その中で筆者は宗教がどう人間社会や人間自身の発達に関わってきたのか、そしてなぜ人間には宗教が必要だったのか、という点に関心を持ちました。 書はこれまでの彼の数々の研究や著作をもとにまとめられたです。 そのため宗教へのア

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  • 【トルコ戦国時代】アナトリア半島の10君侯国の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    Work by Lord Leatherface オスマン帝国の支配に抵抗したアナトリアのベイリク セルジュク朝はアナトリア半島を支配する過程で、トルクマン人を始めとするベイ(君侯)の一族を送り込んで地方の統治を任せました。しかしセルジュク朝の支配が弛緩するとベイは独立をし、ベイリク(君侯国)と呼ばれる国々を形成しました。14世紀~16世紀までアナトリア半島は小国の割拠が続き、最終的にオスマン帝国によって統合されていくのですが、オスマン帝国もこれらの国々の併合にはかなり手を焼いています。 あまり馴染みがないのですが、アナトリア半島の戦国時代とでもいうべき君侯国時代の国々を紹介します。 1. サルハン侯国(1313年~1415年) 奴隷貿易の中心地として栄えた国 サルハン侯国は1290年代からアナトリア西部でサルハン・ベイという人物が設立した国です。 サルハン・ベイはセルジュク朝の先兵として

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  • 世界史上の有名な10人の「傭兵隊長」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    時には歴史を動かしてきた「雇われ指揮官」 昔も現代でも、戦争は正規軍のみが行うものではなく、国王や領主に雇われた傭兵が戦争で重要な役割を果たすケースが多くありました。 三十年戦争で傭兵団はピークを迎えて、その後は国民国家の正規軍が主力になっていきました。しかし現代でも民間軍事会社という名前で、アメリカの旧ブラックウォーターやロシアのワグネルなどが有名ですが、中東やアフリカで正規軍に代わって主力級の活動をする場合があります。 この記事では歴史上の有名な傭兵隊長を10名ピックアップします。 ※記事の末尾にCodocの「投げ銭」機能を入れています。この記事が面白いと思ったら投げ銭いただけると嬉しいです。 1. クセノポン(古代ギリシア) 故郷を裏切りスパルタに貢献した男 クセノポンは高校の世界史の授業では哲学者・歴史家として学びますが、傭兵隊長として活躍したことでも知られます。 クセノポンはアケ

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  • 中世イタリア商人の「為替で簡単に儲ける方法」 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    中世の「金儲けの悪知恵」とは 「楽していっぱい儲けたい」のは人類の永遠の夢であります。 世界史はそんな詐欺師が掃いて捨てるほどいるし、今でも「秒速で数億稼ぐ」とかうそぶくペテン師がもてはやされてしまうのですが、そういう強欲な連中はたいていそれ相応の十字架を背負うものです。一瞬で破産したり、不正取引で逮捕されたり、ライバルとの抗争の挙句殺されたり。 人自身はまったく発達しないわけですが、そのような「強欲さ」がテクノロジーやシステムを発達させてきたことは事実で、 日のテーマである「為替取引」もそんな中世ヨーロッパ商人の「楽していっぱい儲けたい」思いから発展したものであります。 1. 「利子を取ることは神に対する罪」 1-1. 商業技術の発達 近代資主義を支える様々な商業技術、例えば銀行や保険、簿記、会社などはルネサンス期の北イタリアで誕生しました。 互いにライバルだったフィレンツェ、ベネツ

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  • 【まとめ】第一次中東戦争の経緯と展開 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    イスラエルの勝利とパレスチナ紛争の泥沼化 ぼくは学生の頃にイスラエルとパレスチナに行ったことがあります。 ユダヤ人居住区とアラブ人居住区の気味悪いほどのすみ分け、 パレスチナ自治区を囲って築かれた壁、 パレスチナ側で間違ってヘブライ語であいさつして怒鳴られたこと、 わずか数日の滞在でしたが、常に緊張状態にあることが嫌なほど分かりました。もはやどちらかがどちらかを滅ぼし尽くすまで憎しみの連鎖は終わらないんじゃないか、と思うほど。 ユダヤ人とアラブ人の対立と衝突は、オスマン帝国統治時代のパレスチナにユダヤ人が入植し始めた19世紀から続いてきましたが、周辺の国家を巻き込んだ大規模な戦争になったのは1948年の第一次中東戦争が最初でありました。 これに勝利したイスラエルは割り当てられた領土を死守し、独立国としての地位を高め国際的な名声を上げ、地域の大国への第一歩を踏み出します。 今回は悲劇のスター

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  • オマーン帝国の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    インド洋交易を支配した帝国オマーン 帝国といえば、英仏独といったヨーロッパの国や、オスマン帝国、清帝国、ムガル帝国、ロシア帝国といった近代ユーラシアの大国、あるいはもっと時間がくだって、アッシリア帝国とかローマ帝国、ペルシア帝国を想像する方も多いかもしれません。 今日のテーマはオマーン帝国です。 オマーンはアラビア半島の東南部にある国で、首都はマスカット。あまり国際的な知名度が高い国ではありませんが、かつては東アフリカに領土を持ち、インド洋交易を支配する海上帝国、海軍大国でした。 オマーンがどうやって大国に成長したか、解説していきます。 1. ポルトガル支配以前のオマーン オマーンは紀元前から人が集落を作って住んでいましたが、歴史に登場するのは7世紀にイスラムが進出してきてからです。 オマーンのイスラム教は、世界的に見たら少数派であるイバード派が多数派を占めるところに特徴があります。 イバ

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  • 毒殺された世界史の人物と動物28名と2匹 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    殺し方として非常に一般的な「毒殺」 べ物や飲み物に毒を混ぜて人を殺害する方法は、刃物で切ったり首を絞めたりする方法に比べて力もいらず、比較的容易と考えられます。ただし毒殺といっても単にメシに毒を混ぜるだけではないようです。 歴史上、毒殺された人間は数限りなくいるのですが、重要な人物と動物、28名と2匹選んでみました。 なお今回は「服毒自殺」は除外しており、「毒殺された」人物のみです。 1. ソクラテス(紀元前477年~紀元前399年) 陪審員に毒殺される ソクラテスは言わずと知れた古代ギリシャの哲学者です。 偉大な洞察力を持ち、誠実で自制心があり、議論が巧みであったとされ、彼の生き方や思想は西洋哲学に与えた影響は計り知れません。ソクラテス自身は何も著作を残していないことは有名です。彼の弟子であるプラトンやクセノフォンなどが残した著作の中で、ソクラテスとの会話が描かれています。 彼はもとも

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  • 1936年アメリカ「未来の戦争」の退役軍人 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    未来の退役軍人も軍人ボーナスをもらえるはず! 「未来の戦争の退役軍人(Veterans of Future Wars)」は1936年にアメリカで起こった学生運動です。 不況の中で第一次世界大戦の退役軍人が「特権的な扱いを受けている」ことに不満を持った学生たちが、「未来の軍人である俺たちも優遇される権利がある」と皮肉った主張を言ったことが始まりです。 そしてこの運動は予想外の盛り上がりを見せることになります。 1. 「未来戦友会」の設立 1929年に起こった世界恐慌はアメリカでも庶民の暮らしを直撃したのですが、第一次世界大戦に従軍したアメリカの退役軍人たちも例外ではなく、生活に困窮するようになりました。 1932年6月には退役軍人やその家族などが、軍人ボーナスの繰り上げ支払いを求めて、ワシントンD.C.へ行進。連邦軍と暴力的な衝突に発展して死傷者が出る騒ぎになりました。 この時には拒否されま

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  • 「ホロコーストの生き残り」を主張した詐欺師 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    自らホロコーストの生き残りと称して売り込みをした人々 第二次世界大戦の重大な戦争犯罪としてホロコーストが挙げられます。 対象となったユダヤ人が非常に身近にいるためか、欧米では現代でも非常に関心が高いテーマであり、書籍、小説映画などになってその凄惨な経験が語り継がれ続けています。 ところがあまりに関心が高いためか、「自分は強制収容所の生き残りだ」と主張する詐欺師もたびたび現れます。 1. ローレル・ローズ・ウィルソン ユダヤ人でアウシュビッツからの生き残りと主張した詐欺師 ローレル・ローズ・ウィルソンは虚言癖と詐欺行為で名のしれた人物です。 彼女が最も名前が知られた著作は『サタンの地下室(Satan's Underground)』というで、悪魔崇拝の教団で生贄にするための赤ん坊を生む役割を担わされたという「実話」を語ると称するもの。 調査により、彼女の名と家族構成、話の大部分が嘘である

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  • ノルウェーの歴史(後編)-どうやってノルウェーは先進国になったのか - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    中立国から西側、環境・人権先進国へ ノルウェーの歴史の後半です。 前半では豪族が割拠する地域がキリスト教をコアにして中央集権化した後に、デンマークやスウェーデンとの協調の後に統合されていく様子をまとめました。 まだご覧になっていない方はこちらをどうぞ。 後半ではナポレオン戦争を機にスウェーデンの一部になり、独立後に激動の20世紀を迎えるノルウェーの様子をまとめます。 9. スウェーデンとの連合結成 スカンジナビアの国際秩序が大きく変わったのがフランス革命戦争とナポレオン戦争です。 革命フランスは1792年にオーストリア、プロイセンに宣戦布告し、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗れる1815年まで戦禍がヨーロッパを覆いました。 当初デンマーク=ノルウェーは中立政策をとりますが、これがイギリスの不信を招きます。当初最大の海運国だったノルウェーの船舶が、イギリスの敵国フランスの物資を運んでいるの

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  • ノルウェーの歴史(前編)-ヴァイキングの民、国家を作る - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    近隣諸国と複雑な合従連衡をした「北欧の田舎国」の歴史 2021年のノルウェーの国民一人当たりのGDPは世界第4位。福祉国家や環境先進国、人権国としても知られ、日人が羨む「北欧先進国」です。 しかし長らくノルウェーは近隣のデンマークやスウェーデン、イングランドなどと政治的な合従連衡を繰り広げた挙句、政治の中心からは外されてきました。 そのような「北欧の田舎国」がどのように世界有数の先進国になっていったかを全2回でまとめたいと思います。今回は前編です。 1. ヴァイキング時代 1-1. ヴァイキング以前 ノルウェーに人が住むようになったのは、厚い氷が溶けてノルウェーの海岸線が出現した1万4000年前のことを考えられています。 石器時代では人々は漁撈や狩猟で生活を営んでいましたが、紀元前4000年から紀元前1800年の新石器時代に農業が伝わり、青銅器時代や鉄器時代になると農機具の発展で収穫が増

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  • ドクターペッパーの歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    一部にコアなファンがいる炭酸飲料 ドクターペッパーを飲んだことがある方はどれくらいいるでしょうか。 私はありますが、たぶんこれまでの人生で3~4回くらいしか飲んだことがないと思います。それでもその独特の味を思い出すことができます。 チェリー味の甘いシロップに炭酸が入っているような味。やや薬っぽいような香りもします。これがダメな人はダメなようですが、熱狂的に好きな人もいて、コーラよりドクペ、というコアなファンもいます。 どれくらい需要があるか分かりませんが、ドクターペッパーの歴史を紹介します。 1. ドクターペッパーの誕生 ドクターペッパーが誕生したのは1885年。 テキサス州の田舎町ウェーコで、チャールズ・アルダートンという薬剤師が、ウェイド・モリソンが経営する「オールドコーナー・ドラッグストア」に勤めていました。 この店はドラッグストアでありつつ、薬以外にも品や文房具をはじめ様々なもの

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  • 世界史を揺るがした10の大飢饉 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    大量の死者を出し社会を混乱させた大飢饉 歴史上、何度も飢饉が起きてきました。 えない人が大量に出現して治安が悪化したり、戦争や内乱が起きたり、場合によっては王国や王朝が転覆する場合もありました。 その原因は天変地異や気候変動だけでなく、政治や経済政策の失敗といった人為的な原因で起きたものもあります。 世界史を揺るがした大飢饉を独断で10選んでみました。 1. 536年 地球大寒冷 「人類史上最悪の年」と呼ばれる天変地異 ビッグ・ヒストリーの歴史家の中には、536年を「人類史上最悪の年」と呼ぶ人がいます。現在のエルサルバドルにあったイロパンゴ火山が大噴火を起こし、巻き上げられた二酸化硫黄と火山灰が、地球全体を寒冷化させました。 これだけでなく、彗星または隕石の衝突もあったらしく、複合的な要因で「異常気象」が起こったようです。 この噴火以降、10年にもわたって「冬の時代」が到来しました。 例

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  • 理不尽な理由で始まった戦争・完全版 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    よく分からない理由で吹っかけられる戦争がある 戦争を始めるには、指導者にどんな下心があるにせよ、一応皆を納得させられる大義名分が必要です。 ただ歴史を眺めてみると、どう考えても理不尽極まりない理由で始まった戦争も少なくありません。戦争は合理的に始まり合理的に終わると考えるのは、合理主義者が陥りがちな罠ですが、どう考えても理性的じゃない理由で戦争をふっかけられる場合もあるものです。 1. 野良犬戦争(1925年) 兵士が野良犬を追いかけ回し開戦 第二次バルカン戦争と第一次世界大戦で敵同士だったギリシャとブルガリアは、国境線を巡っていさかいが続いていました。互いに罵り合い、煽り合い、不信感が高まり、どんな些細なきっかけでもエスカレーションが起こる危険性が高まっていました。 この戦争は両軍が睨み合うペトリッチと呼ばれる国境地帯で起こりました。 1925年10月22日、あるギリシャ兵が野良犬を追い

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  • シマウマに乗りたい人々の歴史 - 歴ログ -世界史専門ブログ-

    シマウマを家畜化したいという人々のチャレンジ 歴史上、数多くの人がシマウマを家畜化しとようと試みてきました。 記録には全く残ってませんが、アフリカ牧畜民はおそらくシマウマを飼い慣らそうと相当な努力をしてきたと思われます。しかし現在シマウマを飼い慣らせてないということは、その試みが失敗に終わったということです。野生のシマウマが人に懐かないのは、アフリカ牧畜民があまりにしつこかったため、人を恐れる習性がシマウマに組み込まれてしまったのではという説すらあります。 19世紀以降、アフリカを植民地としたヨーロッパの人々は、大量にいる野生のシマウマをなんとか家畜化して活用しようとして、いくつかの成功事例が出ますが、おおよそ失敗に終わっています。 1. なぜシマウマを家畜化しようとしたのか シマウマは見た目はウマに似ているし、シマ「ウマ」と言うのでウマと似ているような誤解を与えるのですが、実はロバの近縁

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