「聞こえる」と「聞こえない」のあいだ。(1)はこちらから 少し前の話になるが、1年半ほどのあいだ、淀川キリスト教病院のホスピスに不定期で通いながら、入院されている14名の患者さんにお話を聞かせてもらったことがある(『人生最後のご馳走』という本になっています)。 内容は、そのホスピスが独自に行っている「食のケア」をテーマに、皆さんに食にまつわる思い出を語っていただくというシンプルなものだ。 命の限りを受け入れて、そのホスピスをある意味「終の棲家」として選んだ皆さんは、それぞれの状態にあわせて行われるきめ細やかな緩和ケアや、スタッフによる手厚い看護によるものなのか、お会いした誰も苦痛を訴えることなく、穏やかに日常を過ごしている方々ばかりだった。 そのため、末期のがん患者だからといって特別な方法を用いるわけでもなく、いつものように簡単な質問を投げかけ、それにお答えいただき、自由に話してもらうとい
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