こんなことを打ち明けるべきではないだろうが、私は自殺しようとしたことがある。この通り、私は生き延びた。 これも打ち明けるべきではないだろうが、私は〈自殺を試みたこと〉〈命が助かったこと〉両方に罪悪感を抱いている。 臨床医学では、このパラドックス、つまり大多数が助からない状況を生き延びた者が抱く罪悪感は〈サバイバーズ・ギルト(survivor’s guilt)〉と呼ばれる。これは、戦闘を経験した帰還兵や、大流行した感染症の生存者など、トラウマ的状況を生き延びた者によく見られる症状だ。サバイバーズ・ギルトはかつて『精神障害の診断と統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)』に独立した疾患として記載されていたが、後に心的外傷後ストレス障害(Post-Traumatic Stress Disorder: PTSD)の