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  • 人生でとてもつらい逆境に陥った時 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【精進(1)】 苦しみがドーンと人生に重くのしかかった時、 「なんで私ばっかりがこんな目に」と、 まるで自分が不幸の主人公のように思いがちですが、 決して「私」という存在は、苦しみにただズタズタにされる存在ではありません。 この苦しみにどうやって対処していくかが大事であり、また対処できるのです。 理不尽な苦しみを前に何も私はできないかといえば、そうではありません。 避ける方法は多々あるし、かわす方法、軽くする方法もあり、 私がコントロールできる部分がある、ということを知るのが大事です。 ついつい酷いことがやってくると、 「こんなの無理だよ」「こんなのもう死ぬしかないよ」と投げやりにもなるのですが、 対処する方法は必ずあります。 その事実がわからず、つい私たちは苦しみから逃げてしまいます。 見ないようにする、聞かないようにする、苦しみから逃げ回る、 ところがそうすると、かえって苦しみはどこま

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    kikuutan 2023/04/26
  • 方便の教えがなぜ大事なのか - 親鸞に学ぶ幸福論

    【方便(1)】 仏教に「方便(ほうべん)」という言葉がありますが、 「方便」と聞くと「ウソも方便」ということわざがあるせいか ウソのことを方便、と思っている人は結構あります。 あるいはウソのことだとまでは思わずとも、 「方便とはいい加減な、どうでもいいもの」 と受け止めている人も多くあります。 しかし元来「方便」とは仏教の言葉ですから、 仏教で言うところの来の意味を知らないと、 仏教の教えはわからなくなります。 「方便」はお釈迦様の説かれたインドの言葉では「ウパーヤ」といい、 「近づける」という意味です。 では何に近づけるということかというと、「真実に近づける」という意味です。 方便は「真実を近づけ、真実を体得させるのに必要なもの」です。 真実には必ず方便が要ります。 もし真実だけでいいのなら、お釈迦さまは方便の教えを説かれません。 そんな簡単に真実は分からないのです。 真実のない私達に

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    kikuutan 2023/04/22
  • 葬式は家族だけで - 親鸞に学ぶ幸福論

    【僧(1)】 コロナ禍で「葬式は家族だけで」と希望する家が多くなっています。 こういう傾向はすでにコロナ前からあり、 その流れがこの度のコロナ禍で加速した、ということかと思います。 厳しい経済事情の人も多い今日の日にあって、 葬儀代は100万円以上、 坊さんを呼べばさらに20万~50万円、 戒名をつけてもらうとさらに何10万円、 そこまでの葬儀をする必要があるのか、 それで家計が圧迫して子や孫がつらい思いをするのは故人は望むだろうか、 という人も増えています。 このように葬儀が簡素化する今日の風潮は、 葬式法事に依存した寺院にとって大きなダメージです。 僧侶は兼職、廃業を迫られ、寺自体も急速な勢いで無くなってきています。 一昔前なら僧侶の存在意義は、疫病になった際の加持祈祷、 戸籍などの把握に檀家制度が役割を担い、 駆け込み寺など地域のコミュニティーの場として生活上の悩みを請け負うところ

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    kikuutan 2021/10/14
  • すぐ他人のせいにする人 - 親鸞に学ぶ幸福論

    私の話を聞いている高校生の子が 「自分も仏教を伝えたい」とサイトを作成しました。 彼は中学2年で私のサイトから「聞きたい」とアクセスしてきて、 それから毎週個人的に話を続けて今に至る人です。 それにしてもこのサイトすごい。 全部自分一人で作ったとのこと。 サイト作成の技術、意欲もさることながら、 よくぞここまで仏教の教えを理解しているものだと改めて感服してます。 よかったら覗いてみてください。 https://buddhismforadolescents.org/ 中学、高校、大学生で仏教、生きる意味に関心ある人と会いたいそうです。 【今日の仏語】は『愚痴』の1回目です。 ============== 仕事に就いても続かない、すぐ辞める。 その理由は「職場の連中がバカばっかりだから、あんなところでやってられない」。 「上司が理不尽なことばかり言う、あれではあの会社は将来性がないよ」とのこと

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    kikuutan 2021/09/21
  • 怨憎会苦に苦しむ古今東西の人類 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【愛憎(1)】 「怨憎会苦」という苦しみがある、とお釈迦様は説かれています。 嫌いな人、苦手な人と会わなければならない苦しみのことです。 「今日もあの人に会わなければならないのか」 と思うと、朝からため息が出てくる。 「あーあ、またあの人に何言われるのか」 と思うと、道中も胸が重い。 そんな経験のある人は多いことと思います。 「あの人が行くなら、私は行かない」と旅行を断ったり、 「あの人が受講するならば、私は出ない」と言ったりする人があります。 中には「あの人がいる部屋にはいたくないから行きません」とまで言う人があります。 嫌いな人が部屋にいるだけで耐えられず、気持ち悪くなってくる、ということなんですが、 私自身、そこまで人を嫌いになった経験がないので、 「別にその人が部屋にいても、 言葉を交わしたり、視線を交わしたりしなければいいじゃないですか」 と言うと、 「嫌いな人の吐いた息を吸うの

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    kikuutan 2021/09/19
  • インターネットでの情報発信を直ちに覚えよ - 親鸞に学ぶ幸福論

    【説法(1)】 私はインターネットで仏教の内容を発信しているので、 ネットのことはくわしいと思われているのですが、 知る人ぞ知る、私はネットに苦手意識を持っている人間です。 今もワードやパワーポイントはろくに使えず、 スマホを持ったのもつい1年前で、 アマゾンや楽天で購入することもまれで、 スマホ決済も面倒くさいですし、 ネット全体が好きではありません。 しかし必要に迫られれば人間身につけられるもので、 ワードプレスを学び、しょぼいなりに動画編集もでき、 初歩的なプログラミング言語もわかるようになってきました。 今、私は52歳なのですが、それら45歳以降に学んだことばかりです。 今やググればていねいに教えてくれる人がたくさんいますし、 が動画編集にくわしかったことも有り難かったです。 ネットで何かしようとすると、その都度トラブルが起きて、 億劫で、面倒で時間ばかりかかってイライラして仕方

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    kikuutan 2021/09/17
  • 立川の少年犯罪にみる哲学的側面 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【人身受け難し(1)】 立川市で一人の女性が包丁で刺殺される事件があり、 犯人が19歳の少年であることが世の中に衝撃を与えています。 約70か所刺していることから、 よほどの恨みの末の犯行かと思いきや、 そうではなく「人を殺す動画を見て自分もしたくなった」のが動機だと語っています。 してみたくなった、ってそれで人を殺すか?と驚きますが、 おそらく「人を殺す」という行為が人の中では実に軽いことなんだと思います。 こんな事件が起きるたびに問題になるのが少年法です。 少年法が軽いから未成年が凶悪犯罪を犯すんだ、という主張です。 実際に少年法は今年の5月に法改訂され、 18歳、19歳の凶悪犯罪が厳罰化されました。 中でもこの度の法改訂で注目を集めたのは、実名報道できるようになった、という点で、 この度の立川市の事件でも実名報道をめぐって識者があれこれ論じてます。 ではここであなたに考えていただき

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    kikuutan 2021/06/12
  • religion(宗教)の由来と仏教 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【因縁生(2) 】 世界の三大宗教といえば、 仏教とキリスト教とイスラム教です。 インドは人口が多いので今日、ヒンズー教は 仏教信者より多いと言われますが、 人種や民族、文化圏の枠を超え広範な人々に広まった宗教は 仏教、キリスト教、イスラム教のみなので、 三大宗教といえばこの3つをさします。 この三つは世界宗教とも言われます。 それに対し、特定の地域や民族にのみ信仰される宗教は 民族宗教と呼ばれ、 ユダヤ教や神道、ヒンズー教などはこれに分類されます。 その世界宗教の中でも、 仏教は他の二つ(キリスト教、イスラム教)とは 教義が著しく違います。 キリスト教とイスラム教はけっこう似通っています。 共にユダヤ教の旧約聖書から派生した宗教であり、 この世界を造った神が存在していて、 しかもそれは唯一の神だという教義も一緒です。 その唯一神の名を英語では「ゴッド」といい、 アラビア語では「アッラー」

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    kikuutan 2021/06/06
  • 万物の創造主を仏教はどう見るか - 親鸞に学ぶ幸福論

    【因縁生(1)】 万物の創造主たる神がいて、 人間一切の動植物、この宇宙全部は、神による被造物である、 と説くのがキリスト教やイスラム教の教義です。 キリスト教とイスラム教とで世界の宗教の過半数を占め、 ことあるごとに宗教戦争を重ねる両者ですが、 実は同じ神(エホバ)を信仰しており、 それは『旧約聖書』というユダヤ民族の神話と歴史の書を根拠とします。 その旧約聖書の創世記には6日間で世界を創造したとあります。 はじめに神が天と地とを創造し、 「光あれ」と言って昼と夜とを作ったのが第1日目とあります。 二日目に空と海。 次の日に陸と植物、次に太陽や月や星、そして魚や鳥を作り、 六日目に動物を作った後、神は自分の姿に似せて人間を作った、 そして七日目に休んだのが日曜日の起源となりました。 ちょうど私たちが精巧な時計やラジオを作ったように、 神が精巧な人体、宇宙自然を造ったのだ、といいます。 こ

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    kikuutan 2021/06/05
  • チーム力を上げる方法 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【以和為貴】の2回目です。 会社内で「制作部」と「営業部」とでは 概して仲が悪いものです。 商品が売れないとお互い相手の落ち度を責めてしまうのだそうです。 営業なら、外で一生懸命売り込んでいるのに売れないのは 「編集が悪いからだ」と言う。 編集なら、相当きちんとしたものを作ったのに売れないのは 「売り込みが下手だからだ」と言うとのこと。 商品が売れなければ営業部も編集部も 給料もボーナスも少なくなるのだから、 一致協力してお互いの不備をフォローしあってこそ、 お互いが得をすることはわかっていることなのですが、 なんで対立するのでしょうか。 同じ志を有しているならば団結できるでしょう? と思われるかもしれませんが、 実際はその逆で、志が同じだからこそ どうしても険悪になり、対立していく傾向に進むのです。 むしろ何の利害もない関係の方が まだけんかにならないです。 ではこうした仲違いの構造はど

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    kikuutan 2021/04/20
  • 裏切った彼が許せない - 親鸞に学ぶ幸福論

    【無常(1)】 ある女性からこんな話を聞いたことがります。 「一生、君を大切にする」 「結婚しよう」 と彼が言ってくれたのが一年前。 それが最近どうも向こうが多忙なのか、 なかなか会う時間が取れない。 ようやく久しぶりに会えた際、 彼から突然の別れ話を切り出されたとのこと。 理由は彼に違う好きな人ができたというのです。 その彼女は、突然の彼の心変わりが許せず、 憤りを感じ、とても苦しいと訴えるのです。 こちらは自分の時間や自分の気持ちを相手に捧げてきたのに、 こんな仕打ちを受けるなんて、と。 こんな時、辛く悲しい気持ちになるのは当然です。 中には相手の心変わりが許せず、 こうして自分が独りぼっちで苦しんでいる間にも、 彼は違う人と付き合って楽しそうにしていると思うと、 許せない気持ちになり、 向こうの仲を壊してやろうとなる人もあるようです。 相手が許せない気持ちはよくわかります。 しかし向

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    kikuutan 2021/04/04
  • 真の国際感覚について考えてみた - 親鸞に学ぶ幸福論

    【法施(1)】 まだ20代の頃、ロサンゼルスで約二年間、 さまざまな人種、国籍の人に仏教の話しをしました。 ブディズム(仏教)のミッショナリー(布教使)は珍しいので 関心もって聞きに来るアメリカ人はいますが、 意外だったのは、日からの留学生に 仏教聞きたいという人が多かったことです。 よく留学生の彼らは 「留学するとかえって、自分は日人なんだな」 と強く意識するそうです。 私も滞在中、日人にとっては自然なことでも アメリカ人にとっては違和感感じる思考、行動というのが けっこうあるんだなと自覚させられたので 私以上にアメリカの生活に飛び込んでいる彼らが 日人としてのアイデンティティを意識するのは 当然のような気がします。 留学生たちは海外での異文化体験を通して もっと日文化歴史や価値観を 自らが学ばなければならない という認識を強く持つようになり、 仏教を学んでみたいと思うよう

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    kikuutan 2021/03/20
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  • 人のあら捜しは何の意味もない愚行 - 親鸞に学ぶ幸福論

    今日は私の大学時代からの友人で、 同じ師の元で学び、ともに仏教を伝えてきた仲間でもある 添谷亮介講師のユーチューブを紹介いたします。 私と同じくホワイトボードを使って仏教の話をするという点で 私のチャンネルと同じ形式ですが、性格が全く違うせいか、 切り口、話題、話し方、みな違います。 彼の場合、当に性根が優しく誠実なので、 その人柄が動画にも表れていて 「こういうの好きだな」と思われる方もあるのではないかと思います。 お時間ある時にでも覗いてみてください。 https://www.youtube.com/watch?v=b5SESlgwzVA&t=16s チャンネル登録してくださると、人泣いて喜ぶと思います。 【今日の仏語】は『慢』の1回目です。 ============== 「オレはあいつより勝っている」と思いたいのが、人間です。 思いたいだけでなく 「あいつ」にもそれを思い知らせた

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    kikuutan 2021/03/04
  • 親鸞聖人の比叡山での生々しい苦闘 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【下山(3)】 親鸞聖人の下山の謎について回数を重ねています。 今日はその3回目です。 親鸞聖人は9歳で仏門に入られ、比叡山でご修行に励まれました。 その比叡山での20年間は、逆巻く煩悩との格闘でした。 『歎徳文』という古書は、 その生々しい苦闘の様子を今に伝えています。 「定水(じょうすい)を凝(こら)すと雖も 識浪(しきろう)頻(しきり)に動き、 心月(しんげつ)を観(かん)ずと雖も 妄雲(もううん)猶(なお)覆う」 比叡山から東を眺めれば眼下には琵琶湖が広がっています。 親鸞聖人もご修行中、 幾たびもこの琵琶の湖水を眺められたことでしょう。 「定水を凝すと雖も」 琵琶湖の水面は風がないときには波一つなく、 鏡のように映えている。 「あの湖水のように親鸞の心はなぜ静まらないのか」 と悩まれた様子が伝わってまいります。 「識浪頻に動き」 【識】とは、煩悩です。 「思ってはならぬことが思え

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    kikuutan 2021/02/26
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  • 親鸞聖人下山の謎 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【下山(1)】 親鸞聖人は29歳の時、 20年間励まれた比叡山での仏道修行を捨てられ、 一人下山されています。 なぜ親鸞聖人は比叡の山を下りられたのでしょうか。 その理由を知ることは親鸞聖人とはどんな方だったのか、 どんなことを教えられた方だったのか、を知る上で、 大きな示唆を私たちに与えてくれます。 下山する、というのは安易な行動ではありません。 親鸞聖人は9歳で出家されてより20年間、 全身全霊を投じた学問修行を捨てられたのです。 よほどのことです。 ふつう2年か3年打ち込んできたことでも、 それをやめるというのはつらいことであり、決意が要ります。 司法試験合格に向かって5年間受験勉強してきたけどあきらめた、 甲子園目指して3年間必死に練習したけどかなわなかった、 としたら、どんなにこそつらく苦しいことかと思うのです。 親鸞聖人は3年、5年どころではない、20年間です。 しかも物心つい

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    kikuutan 2021/02/19
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  • 日本語最強の一言「ありがとう」 - 親鸞に学ぶ幸福論

    みなさん、スマホで「あ」と打って最初に出てくる予測変換は何でしょうか。 「ありがとう」と出てくる人は幸せな人といわれます。 ゴディバジャパンによるアンケート調査によると、 1日平均4回以上「声」に出して「ありがとう」と伝える人の方が 幸福度が高いことが判明しました。 また、年収についても 1日平均4回以上「声」に出して「ありがとう」と伝える人の方が 20万円以上高いことが分かりました。 いや、それは「ありがとう」と口にするから幸せになるのではなく、 いろいろ周りから支えてもらえる機会の多い幸せな人だから 「ありがとう」と口にするのでしょう、 との主張もあるかもしれません。 確かにそれもその通りかと思います。 「ありがとう」の言葉が日常になっているということは、 日々周りから与えてもらっている現れであり、 誰からも何ももらえない人は 「ありがとう」を口にする機会がそもそもありませんので。 だ

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    kikuutan 2021/02/17
  • 風狂僧・一休は実はまじめな人だった - 親鸞に学ぶ幸福論

    【生死の一大事(1)】 一休禅師は名の知れた室町時代の禅僧です。 特に私と同世代(40~50代)の方なら、 アニメの「一休さん」でお馴染みだと思います。 私の中での一休のイメージは、 あのつぶらな瞳で純真な「一休さん」だったので、 中学時代の歴史の資料集で一休の肖像画を初めて見た時 「えっ、これが一休さん!?」 といささかショックを受けたのを覚えています。 ふてぶてしい風貌で、それでいて眼光鋭く、反骨に満ちたその表情が、 どうしも私の中に一休さんのイメージと合わなかったからです。 しかしそれから仏教を学び、 数々の一休さんの残した歌や言動を知るにつれ、 やはり一休の当の姿はあの肖像画の姿ではあっただろうな と思うようになりました。 一休を表す言葉に「風狂」という言葉があります。 およそ僧侶らしからぬ破天荒な生きざま、 自由気ままに飄々と生きた一生がそう評されるのですが、 実は一休は「まじ

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    kikuutan 2020/12/05
  • いろは歌の真骨頂 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【諸行無常(5)】 いろは歌について話を続けています。 いろは歌は美文であり、精巧であり、 なおかつ誰が詠んだかもわからぬところから、 「いろは歌の謎」「いろは歌の秘密」などと取り沙汰され、 菅原道真や柿人麻呂の怨恨説やユダヤ人先祖説など さまざまな解釈がなされますが、 素直に読めば、仏教の教えを表したものと言えます。 空海の作と言われたりもしますが、 「ここを空海が杖で突くと湖ができた」などと、 なんでも空海のことにしてしまう空海伝説は日中にあって、 その類かと思いますし、 内容的に言ってもどうかなと私は思います。 また涅槃経の 「諸行無常 是生滅法 生滅滅已 寂滅為楽」 をわかりやすく表したものとも言いますが、 私としては「有為の奥山今日越えて」の一節、 特に「今日」という一言に「いろは歌」の深い魅力を感じるのです。 先回「有為の奥山今日越えて」とは、 「不安の絶えない人生にあって

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    kikuutan 2020/11/22
  • 我が世誰ぞ常ならむ - 親鸞に学ぶ幸福論

    【諸行無常(3)】 いろは歌の「我が世誰ぞ 常ならむ」についてお話しします。 「我が世」とは「オレの世の中」「オレの天下」ということ。 人生で華々しい絶頂期を指して「我が世の春を謳歌(おうか)する」と言うように、 「我が世」とは「オレの天下」という意味のみならず 「オレの地位だ」「オレの金だ」「オレの女だ」「オレの才能だ」と 私たちが誇っているものすべてを「我が世」と言われているといえます。 私たちは何かを手に入れると「これはオレのだ」と幸せを感じますが、 その幸せはいつまで続くものだろうかと、 いろは歌の作者は「我が世誰ぞ 常ならむ」と歌っているのです。 金も、人も、健康も、才能も、若さも、美貌も、 一時は手にしていることを誇示し、満たされる気持ちにもなりますが、 いずれも諸行無常ですから、いつかは私から離れていきます。 いや、それを持っている自分自身も無常の身ですから、 どんな幸せも崩

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    kikuutan 2020/11/19
  • いろは歌に込められた仏教思想 - 親鸞に学ぶ幸福論

    【諸行無常(1)】 いろは歌はよく知られています。 ーーーーーーーーーー いろはにほへと ちるぬるを わかよたれそ  つねならむ うゐのおくやま けふこえて あさきゆめみし ゑいもせす ーーーーーーーーーー すべてのひらがなが重複することなく、 七五調の歌に収まっているところから、 日では長らく文字の読みかけの手として使われたので、 今でも初歩的なこと、基的なことを表すのに 「そんなの経済学のいろはだぞ」などと使われますね。 いろは歌は有名ですから、その内容に関してはいくつもの解釈があり、 呪いの言葉だのユダヤ人先祖説だのいろいろありますが、 私は仏教の観点から今回お話しします。 いろは歌のその内容たるや、実に深遠な哲学です。 誰が作ったか読み人知らずの歌です。 空海でないかという説はありますが、 なんでも空海にするという空海伝説いろいろあって このいろは歌に関しても、 私は内容から

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    kikuutan 2020/11/11